浅田選手は「自分のために」滑ることができた
ソチ五輪の女子フィギュア競技で、浅田真央選手が2月19日のショート競技でまさかの16位。リアルタイムで競技を見ていた人たちは浅田の相次ぐ転倒に動揺し、リアルタイムで見ていなかった人などは、「朝起きてニュースを見たが、6位の間違いではないかと驚いた」と言うほどに衝撃的な順位で、浅田はメダルは絶望的となってしまった。
続く2月20日のフリー競技では、ショートとは打って変わったすばらしい演技で、ほぼノーミスで自身の最高得点をとり、これはフリーのみでは3位につける得点となり、メダルは無理だったものの、順位を16位から6位入賞までに押し上げた。
前日のショート演技にショックを受けた多くの日本人は、打って変わったこの日のフリー演技に多くの感動を受け、今回のソチ五輪を象徴する出来事となったのだ。
フリー演技後の浅田はインタビューでこう語っている。
「昨日の演技はとても残念で、自分もすごく悔しくて、取り返しのつかないことをしてしまったなという思いがあるんですけど、今回のフリーは、自分が4年間やってきたことを…、そして、たくさんの方に支えてもらったので、その恩返しもできたのではと思っています」
「こういうオリンピックという大きな舞台で、日本代表として、メダルという形では帰って来ることはできなかったと思うんですけど、自分が目指しているフリーの演技が今日できて…、結果としては良くはなかったと思うんですけど、私なりの恩返しができたと思っています」(デイリースポーツより)
少女時代から「真央ちゃん」として追いかけられ、韓国のキム・ヨナ選手とのライバル関係は日韓間でヒートアップするほど語られ、フィギュアやスポーツというジャンルを超えて、“社会現象”のように注目され続けてきた浅田真央。
そんな浅田がここでは、「今回のフリーは、自分が4年間やってきたことを…」「自分が目指しているフリーの演技が今日できて…」と言っている。
これを聞いたときに、私は「浅田選手は自分のために滑ることができたのだな」と、ひどくほっとした。