ザ・海外出張Hacks! 特集 Interview GOETHE特別編集 海外出張の達人に訊く! 第5回ジャーナリスト 上杉隆さん

機内は書斎。ここでひたすら原稿を書く

サミットやIOC総会などの国際会議、そしてゴルフの取材などで海外に行く機会は非常に多いですね。スター アライアンスはネットワークが広いから、かなりの率で利用しています。とはいえ、ほとんどの旅がとんぼ返り。イタリアサミットのときは1泊3日、わりあい余裕のあるスケジュールで行けたのがNASAのスペースシャトル打ち上げの取材ですが、それでも2泊3日。レギュラーの仕事を抱えているから、どうしてもゆっくり滞在することができないんです。現地でのんびりしたいけれど、今は難しいですね。

締め切りに追われる中での海外出張なので、空港に着いたらまずはラウンジに直行します。ラウンジは基本的にネット環境がよいから、ここで搭乗時間まで原稿を書き、そして送信。ラウンジはPCが使えるのはもちろんのこと、飲み物や食べ物もあるし、何より落ち着ける空間がいい。これらの付加価値を考えたら、お金を払ってでもラウンジを活用すべきだと思います。

機内では、PCが使えない離陸前に紙資料を読み込み、そして食事。食事が済んだら、再び原稿書きです。ひたすら書いて終わったら、お楽しみの映画鑑賞。映画を観たいがために原稿を書いているようなものですね。いつだったか、先に映画を観ちゃったら、そのあと眠くなって結局書くことができなかった。以来、原稿は必ず先に終わらせる、を鉄則にしています。

政治家秘書時代のクセでマイルには無頓着。だけど・・・・

よく、「これだけ海外に出かけるのだから、マイレージサービスもかなり活用できているでしょう」と言われます。ところが、意外に利用できていないですね。気がついたら有効期限が切れていたり、それどころか、マイルを貯めるチャンスがあったのに忘れていたなど日常茶飯事。おカネに換算すると、結構な額になるんじゃないかな。

マイルに無頓着なのは、忙しすぎて気が回らない、ということもあるんですが、かつて国会議員の秘書をやっていたことが大きいかもしれませんね。ご存じのように、国会議員は航空機や新幹線などのパス券が規定回数発券されます。もちろんこれは国費。ですから、マイルは貯めない、というのが暗黙のうちの紳士協定としてあるんですね。僕がマイルに無頓着なのは、秘書時代の感覚が残っているからでしょう。

海外取材で今、楽しみにしているのが4月のマスターズ。毎年、練習ラウンドから取材をしますが、今年は都知事選と重なるんで間に合わない。でも、10日の決勝ラウンドには間に合わせたいですね。開票結果はオーガスタで知る、ってことになるかな。都知事選もジャーナリストとしては大切な仕事ですが、僕としては、それ以上にマスターズが楽しみ。今からワクワクしています。

海外出張成功のための2箇条

ポイント1
ネット環境の充実など、付加価値が盛りだくさんのラウンジを活用する
ポイント2
マイルをマメに貯めて特典を享受しよう。有効期限チェックは忘れずに!

TAKASHI UESUGI
1968年福岡県生まれ。NHK報道局勤務、衆議院議員公設秘書、ニューヨーク・タイムズ東京支局取財記者を経て、2002年よりフリージャーナリストとして活動。同年、第8回編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞企画賞受賞。『ジャーナリズムの崩壊』(幻冬舎)、『「結果を求めない生き方」上杉流脱力仕事術』(アスコム)、『上杉隆の40文字で答えなさい きわめて非教科書的な「政治と社会の教科書」』(大和書房)など著書多数。その他、テレビ、ラジオなどでも活躍。ゴルフは関東ジュニア出場の経験をもち、ゴルフ関連の取材も数多い。

Text=牧亜津子 Photograph=久保田育男(OWL)

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