昨年末に北朝鮮の張成沢(チャン・ソンテク)元国防副委員長が処刑され、その後ナンバー2として浮上したとみられていた崔竜海(チェ・リョンヘ)朝鮮人民軍総政治局長が監禁されたとの見方が出始めている。自由北韓放送は2月28日、平壌在住の消息筋の言葉として「崔竜海氏が監禁され、取り調べを受けているとの情報を入手した」と報じた。崔竜海氏は張成沢氏処刑後、さまざまな経済的利権を手にしようとしていたが、その過程で金正恩(キム・ジョンウン)第1書記に目を付けられたか、あるいは金正恩氏唯一領導体制の障害と認識され、失脚した可能性があるという。
2013年に金正恩氏との随行回数が最も多かった崔竜海氏は、今年に入って突然、随行回数が3回に減った。張成沢氏も12年以降は随行回数が一気に減り、その後は崔竜海氏との争いに敗れて粛清された。とりわけ崔竜海氏は最近になって公式行事に姿を現していないことから、周辺に異常が生じたとの見方も出ている。崔竜海氏は朝鮮人民軍で思想・宣伝などを総轄する立場にあるにもかかわらず、今月25日に閉幕した朝鮮労働党思想担当者大会に出席せず、18日には朝鮮人民軍関係者が多数出席した公演にも姿を見せなかった。
この問題について韓国政府の関係者は「今のところ確認された事実関係はないため、3月9日の最高人民会議代議員選挙まで状況を見極めなければならない」とコメントした。