雪害対応にツイッター活用:柳田清二・佐久市長に聞く

毎日新聞 2014年03月01日 21時15分(最終更新 03月01日 22時38分)

柳田清二市長
柳田清二市長

 ◇市民の苦情、やがて励ましに

 記録的な大雪で市民生活に大きな影響が出た長野県佐久市。柳田清二市長(44)はツイッターを活用して市民から情報を集め、被害状況の把握や災害対応の指示に役立てました。どのように使い、どんな課題が残ったのか、浜田和子記者が柳田市長に聞きました。

 1メートル近い雪の壁に囲まれた佐久市役所を訪ねると、柳田市長はスマートフォンを見ながら、ツイッターで寄せられる大雪の情報を確認していた。同市の積雪は例年、靴が隠れる程度という。柳田市長は「大雪の対応に慣れていない役所内は、本当に手探りの状況。ツイッターの情報は大切な判断材料になった」と振り返った。

 柳田市長がツイッターを始めたのは、2011年1月。地元のケーブルテレビのイベントがきっかけだった。「しばらくは使っていなかったが、最近は1日3、4回、市政に関する情報をツイートしていた。大雪情報もその流れで自然につぶやき始めた」という。

 雪害に関して、柳田市長が最初にツイートしたのは、2月15日午前6時40分。雪に覆われた市街地の写真を付けて「この雪、かくのか……。ちょっと現実逃避したい……。でも、行かなきゃ」。その後、昼夜を問わずツイッターを使って、精力的に情報収集と拡散を始めた。

 特筆すべきは、市民らに写真の添付を呼び掛けるなど、生の情報を求めるとともに、その情報に基づいて市役所内の関係各所に細かく指示したことだった。その指示もツイートし、情報提供した人への返信も丁寧にした。柳田市長の大雪に関するツイートはこれまでに300を超え、19日には1日で50回以上を市長一人でつぶやいた。

 当初、市民からは「自宅前の除雪はまだか」などの苦情のツイートが多数寄せられていた。柳田市長はすぐに「できるだけの努力をしています。ご理解とご協力を」と応じながら、除雪中の地域の情報を流した。すると「夜中なのに除雪しているところがあると思うと納得できる」との返信が。「除雪作業の優先順位を付けるとともに、市民に現状を伝えることが大事だと思った」と柳田市長は説明する。市長が情報を流すたびに、市民らからは「頑張ってください」といった感謝のツイートが寄せられるようになった。

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