Designed by Takeda Tsuneyasu

御勾玉 【 おんまがたま 】

太古の昔、宇宙には天地の区別もなく、全てのものは形を持ちませんでした。
あるとき天と地が別れ、天の高天原にはじめて現れたのが天之御中主神でした。
 天地開闢、宇宙の始まりです。

 いまからおよそ1300年前に編纂された日本の古代の歴史書「古事記」は、
宇宙の始まりをこのように記しました。
 これが「和」の原点です。

 そのあと古事記は、神が交じり合って八百万の神々を生んだこと、
神々が海水をかき混ぜて日本の国土・大八島をつくったこと、
太陽神・天照大御神の子孫が三種の神器を携えて天・高天原から地・葦原中国に降臨し、
神器を受け継ぐその子孫が天下を治めて天皇になり、
大和朝廷の基盤を築いたことなどなどが書かれています。

 皇紀元年(西暦・紀元前660年)に成立した大和朝廷は、その後一度も途切れることなく、
一系の血筋を引く天皇によって受け継がれ、現在の皇室に繋がっています。
そして、今上天皇は第125代の天皇でいらっしゃいます。
 高天原から地上にもたらされた「三種の神器」は、二千年以上時を刻んだ今も、
曲玉が皇居、鏡が伊勢の神宮、剣が熱田神宮に大切に祀られています。

 日本はおよそ二千年、王朝は一度も交代していません。日本の「和」の文化は、
皇室の元で育み続け、今に至るのです。
 古事記から現在の皇室につながる一本の流れの中に、日本の「和」の文化の本質があります。
 
 「神楽」とは、日本の伝統的な神事において、神に奉納するために奏される歌舞を意味します。
「神楽」はその字の如く、神を楽しませるものなのです。
 古事記によると、太古の昔、太陽神・天照大御神が天岩屋戸にお隠れになったとき、
闇夜の中で神々が賑やかに歌舞を奏し、大御神を呼び戻しました。
 これが神楽の最初の記録です。
 それからというもの、地上でも人々は、人のためでなく、神のために歌い、そして踊り、
文化・芸術に華を咲かせました。
 日本文化は神を楽しませる文化から始まったのです。

 宮廷によって育て守られてきた「本物の和」を形にするのが【Kagura】です。
伝統に裏打ちされた物語を、ひとつひとつの作品に表現していきます。
日本文化との一体感を味わっていただけたら幸いです。

大御鏡 【 おおみかがみ 】

小袿重様 【 こうちきかさねよう 】

五色御吹玉 【 いついろのおんふきだま 】

下襲衣 【 したがさねのきぬ 】

大御剣 【 おおみつるぎ 】