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政治
【高橋昌之のとっておき】朝日・毎日への反論(6) 河野談話の正当性が崩れた石原証言に見解を示さないのはなぜか
石原氏は答弁で「募集業者に官憲が関わったことは否定できないということで、談話のような表現に落ち着いた」と当時の経緯について述べましたが、現在の認識については「日本政府・日本軍の直接的な指示で募集したことを認めたわけではない」と証言しました。
カッコ付きでこの見出しをとると、読者は石原氏が答弁で現在の認識として「官憲の関与は否定できない」と述べたと受け止めるのが普通でしょう。その点で読者をミスリードする可能性があり、私はいかがなものかと思いました。
毎日新聞の報道にはもっと問題を感じます。2月21日付朝刊1面で記事を掲載しましたが、その見出しは「政府 元慰安婦の調査検討 関係国反発の恐れ」というものでした。記事も冒頭で、菅義偉官房長官が答弁で、元慰安婦への聞き取り調査報告書の信憑(しんぴょう)性について「(検証を)検討していきたい」と述べたことを踏まえて、「菅氏の発言が河野談話の見直しに向けた動きと受け止められれば、関係国が反発する可能性がある」と指摘し、石原氏の証言は後半で他紙よりも簡略に触れられているだけでした。
この文脈からは、石原氏の証言のインパクトを薄めるとともに、「関係国が反発する可能性があるから、談話の検証はすべきではない」とクギを刺す思惑を見てとることができます。しかし、「客観的事実」ではなく、「証言の結果の心証」だけでまとめられたことが明らかになった談話について、作成過程を検証し、客観的な事実を踏まえて見直すことに何の問題があるというのでしょうか。
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