結果的には、脱原発の国民的な気運を削ぐことにしかならなかった元首相の細川護煕氏と小泉純一郎氏が共闘した東京都知事選挙。開票日の翌日には、候補者である細川氏が襖絵を描くためにアトリエに籠ってしまったことで、細川選対は次点にすら届かない惨敗の総括すら出来ずに散会状態になったと言う。
それでも一人、細川選対の内幕を暴露し続けているのが"元広報担当責任者"のジャーナリストの上杉隆氏だ。上杉氏の言い分では、細川氏と小泉氏が並んで会見を行った1月14日以後、旧日本新党出身の元民主党代議士らが選対の主導権を握ったことで、細川氏の擁立に係わった上杉氏を含む木内孝胤前衆議院議員ら6人グループが事実上の離脱状態になり、選対が内部崩壊したままに選挙戦を行ったことが敗戦の真相だとしている。
細川選対を取材したメディアも、ほぼ同じ見解を伝えているので、実情としては間違っていないようなのだが、ある選対関係者は、「そもそも、上杉さんらが(選挙の準備を)何もできていなかったことが、旧日本新党関係者に"母屋を取られた原因"ですよ」と、振り返るのである。
「民主党の元参議院議員の円よりこさんのスタッフで、日本新党事務局長だった金成洋冶さんが、細川さんの公設秘書だった成田憲彦さんと謀って、6人グループの排除を細川さんに進言したというのは事実。でも、金成さんが木内さんを完全に排除できるかと言えば、これは不可能です。というのも、選挙資金はほぼ全額を木内さんが手当したものでしたし、最期までこの決済権は木内さんが握っていたのです。それに、木内さんも6人グループの一人で、上杉さんと同じ日に事務局長を更迭されたとされる馬渡龍治さんも、もともと選挙実務はできないと自分から言っていたくらいで、選挙準備が整わないことで責任を追及されることはないはずでした」
この金成氏は30代半ばで土光臨調の選任スタッフになり、事務方として実質的な答申の取りまとめを手掛けるなど、政策立案では政界関係者には知られた存在だったという。その後に、細川氏が設立した日本新党の前身ともいえるシンクタンクに入り、日本新党結党時に事務局長になった細川氏の側近中の側近と言える存在だ。92年の参議院選挙では、日本新党の初めての選挙戦も仕切っている。
「つまり1月23日以後の選挙期間になれば、上杉氏ら6人グループは、一線を引いて裏方に徹するというのが当初からの予定でした。ところが、上杉さんが勝手に広報担当を名乗り始めたばかりか、会見の司会をやりたいと言い出した。それを金成さんら旧日本新党グループが止めたことが、ゴタゴタの始まりでした。もともと、広報関係は自分に一本化してくれと上杉さんが主張していたにも関わらず、木内さんが状況を金成さんに逐一、報告していて、金成さんが馴染みの新聞記者にリークしていたことが上杉さんは気に入らなかった。で、結局、会見の司会をやらせてもらえないことが決まった上杉さんが、今度は、なってもいない広報責任者を辞任すると発表してしまったわけです」
昨年末から裏選対ともいえる事務所に日参していた上杉氏は、選対の広報戦略は当然、自分が担当するものと考えていたとしても不思議はない。
だが、それなら、上杉氏の参画を認めた木内氏が金成氏との連絡も密にしていたのは何故か。その理由は、金成氏が細川氏の側近だからというだけではない。
「金成さんの息子さんと木内さんは、銀行時代の同僚で友人です。木内さんに民主党の公認調整が付かなかった時に、真っ先に相談したのも金成さんでした。今回の擁立劇でも、昨年末にあった細川さんとの最初の協議をセットしたのも金成さん。つまり、金成さんは擁立の影の立役者です。上杉さんは、馬渡さんが鳩山邦夫事務所時代の付き合いから選対に連れてきたのですが、木内さんと金成さんの前史までは知らないわけです」
細川選対が最後までまとまり切れなかったその端緒は、実にくだらない、上杉氏の自己顕示欲の結果だったと言える。
【注目記事】
掟破りのマスコミ圧力にエラソーな態度...無名時代の猪瀬直樹と距離を置いたワケ by岡留安則
Written by 野本徹
Photo by ことばを旅する (文春文庫)
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