［ライフ］【竹本住大夫さん引退会見詳報】（３完）「今は引退公演のことで精いっぱい。先のことは…」（2014.2.28 20:57）

　《引退を明らかにしたことで肩の荷がおりたのか、竹本住大夫さんは時折、晴れ晴れとした表情ものぞかせた》

　－－引退を伝えたときの奥様の反応は

　住大夫さん「『あんたが嫌やったらやめなはれ。後の心配もせんでええ』と。随分苦労をかけました。のろけやおまへんけど、ええ女房を持って幸せでした」

　住大夫さん「来世も太夫になるかはちょっと考えます。ええ指導者がいたら、なりたいですね。浄瑠璃、ええもんでっせ。商売冥利につきまんな。まず芸を見てもらう。芸で認めてもらう。相場は他人がつけてくれます」

　－－浄瑠璃の魅力は

　住大夫さん「“情”ですな。こんな難しいもんおまへんな。死んでからも稽古にいかなあきません。１００点満点は取れません」

　－－大阪市からの補助金が見直される一方で、出直し市長選には６億円がかかるが

　住大夫さん「私は芸のこと以外、政治のことはわからん。芸一筋に勉強する。いろんなことを考える余裕はおまへんな」

　－－若手に何かしたい計画は

　住大夫さん「今はそんなことまで気が回りませんねん。４、５月の（引退公演の）ことで精いっぱい。その後はどないしましょ。どうしたらよろしい？」

　－－平成２４年に倒れてから回復した。引退宣言をして迷いはありませんか

　住大夫さん「きっぱり思い切れたらええですけど、悔しい気持ちがつきまといます。それは５月すぎてみんとあきませんな」

　《終始、淡々と語った住大夫さん。午後６時に始まった会見は４０分ほどで終わった》