狭い国土なのに世界第2位の農業大国オランダ 日本が学べることはある?
THE PAGE 2月28日(金)14時0分配信
シンガポールで開かれていたTPP(環太平洋パートナーシップ協定)の閣僚会合は、日米が合意出来ず、交渉締結は先送りとなりました。もっとも難航しているのは農作物の関税なのですが、耕地面積が小さい日本の農業は競争力が弱く、TPPを締結すれば壊滅的な打撃を受けるともいわれています。一方、オランダのように、日本より小さくても、世界第2位の農業輸出を実現している国もあり、工夫次第で日本の農業は世界で戦えると主張する人もいます。このあたりはどう考えればよいのでしょうか?
日本はもともと国土が狭く、しかもその多くが山林ですから、農地の面積はあまり広くありません。日本の農地面積は456万haですが、米国やオーストラリアにはその100倍の広さの農地があり、農家1戸あたりの耕作面積も日本の数十倍から数百倍というのが当たり前です。単純にコスト競争をすれば、日本の農業はまったく歯がたたないでしょう。
しかし世界には日本より狭い国土でも農業輸出国として君臨している国があります。オランダは農地の面積が日本の半分以下ですが、米国に次いで世界第2位の農業輸出国となっています。国内には、オランダのような国を目指せば、農業でも世界で戦えるとの意見があります。
確かにオランダの農業は非常に強い競争力を持っているのですが、その内容は多くの日本人が想像するものとは少し違っているようです。オランダの農作物の中で輸出額が大きいのは、観賞用植物(花き類)、タバコ、チーズなどであり、純粋な農作物ではありません。しかもオランダは、花き類やタバコの葉、牛乳などを大量に輸入しています。つまり原材料を輸入し、付加価値を付けて輸出するという加工貿易モデルに近い形態になっているわけです。
オランダはドイツと並んで、欧州ではもっとも徹底したグローバル主義の経済政策を採用している国です。世界で初めての金融バブルは1600年代にオランダで発生したといわれていますが、その対象は何とチューリップでした。当時からチューリップは付加価値の高い商品とみなされており、投機筋の買い占めをきっかけに価格が高騰、世界で初めてのバブル経済となったことで有名です。オランダの農業は、どちらかというと工業と考えた方がよいものなのです。
最終更新:2月28日(金)14時9分
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