2014年2月15日00時24分
昨年末、韓国の鉄鋼最大手ポスコがインドネシアで製鉄所を稼働させました。東南アジアでは石炭と鉄鉱石から粗鋼をつくる高炉を兼ね備えた初の製鉄所です。実は日本の高炉メーカーも過去に何度となく東南アジアでの高炉建設を検討してきましたが、結局断念しています。
積極的な韓国と消極的な日本というありがちな構図ですが、この違いは鉄鋼の需給に関する考え方によります。日本は供給が需要を上回り、最も安い建材用で1トン6~8万円と単位当たりではコメやガソリンを下回る製品との認識が強いようです。投下資金の回収を考えると、巨額な設備投資には慎重にならざるをえません。1970年代から課題はリストラ。1社で限界があれば、川崎製鉄とNKKの統合によるJFEホールディングス、新日鉄と住友金属の合併による新日鉄住金のように再編でコスト競争力を高める方向です。
国営として創立したポスコは競合が少なく、ウォン安により輸出競争力が強い時期が続きました。業界内には「つくれば売れると考えている」という評があります。今回も需要拡大を見込んでの決断。大きな製鉄所で集中生産する高い効率性が、自信を支えています。
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