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南海トラフ巨大地震がれき 処理に20年
2月28日 19時46分

南海トラフ巨大地震がれき 処理に20年
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南海トラフの巨大地震で発生するがれきなどは、最大のケースで東日本大震災で発生した量のおよそ11倍に上り、処理を終えるには最長で20年近くかかるという環境省の推計が初めてまとまりました。
環境省は、この推計を踏まえて処理態勢について今後、検討を進めることにしています。

これは28日、東京都内で開かれた専門家や自治体の担当者などで作る環境省の委員会の会合で示されました。
環境省は、南海トラフの巨大地震や首都直下地震が起きた際に発生するがれきや津波堆積物について必要な処理態勢を検討するため、津波や火災による被害のパターンや東日本大震災での処理実績などをもとに、発生量と処理にかかる期間を初めて推計しました。
それによりますと、南海トラフの巨大地震では発生量が最大のケースで、がれきがおよそ3億2200万トン、津波堆積物がおよそ2700万トンの合わせておよそ3億4900万トンが全国で発生するということです。
これは、東日本大震災で発生した量のおよそ11倍に上ります。
これらを全国にある既存の施設で広域処理も含めて対応した場合、処理を終えるまでに11年6か月から19年4か月程度かかるということです。
一方、首都直下地震では、発生量が最大のケースでおよそ1億1000万トンのがれきが発生し、全国にある既存の施設で広域処理も含めて対応した場合、処理を終えるまでに4年9か月から6年6か月程度かかるということです。
環境省は、この推計を踏まえて各自治体や地域ブロックごとなどでの処理態勢について検討を進めることにしていて、来月、開かれる委員会の会合で今後の対策の方向性を取りまとめることにしています。

東日本大震災での対応

環境省のまとめによりますと、東日本大震災で発生したがれきと津波堆積物の量は、去年の年末の時点で原発事故による福島県内の避難区域を除く、全国の13の道と県で合わせておよそ3089万トンに上ると推計されています。
このうち、がれきは94%、津波堆積物は86%、それぞれ処理が終わっています。
被害が大きかった岩手県と宮城県でも着実に処理が進んでいて、先月末までに処理が終わった割合は、岩手県ではがれきが97%、津波堆積物が93%、宮城県ではがれきが99%、津波堆積物が98%と、震災からまもなく3年を迎えるなか両県が目標とする今年度中に処理を終えられる見通しです。
ただ、処理にあたっては両県の既存の施設では処理が追いつかず、可燃物のがれきを焼却するため合わせて31基の仮設の焼却炉が建設されました。
また、およそ62万トンのがれきについては両県以外で処理する広域処理が行われ、18の都府県がおよそ61万トンの受け入れを終えています。
一方、両県では最終処分する量を減らすために再生利用もできるかぎり進めていて、処理が終わったもののうち、岩手県ではがれきが83%、津波堆積物はすべて、宮城県ではがれきが86%、津波堆積物は99%を再生利用しています。

専門家「地域越えた協力を」

東日本大震災で発生したがれきの処理について、自治体にアドバイスを行ってきた環境省の委員会の委員を務める京都大学の浅利美鈴助教は「環境省が示した推計をもとに、各自治体や地域ブロック単位で具体的な対策となる計画作りを進めていく必要がある。地域によっては、処理に数十年かかるという予測も出ているので、地域ブロックを越えた協力や国レベルでの協力についても検討していくべきだ」と指摘しています。
そのうえで浅利助教は、東日本大震災のがれきの処理について「分別リサイクルをしてできるだけ再利用を進め最終処分する量を減らす努力をしてきたが、今後予測される巨大地震でも分別リサイクルが重要なポイントになると思う。まだ、東日本大震災での処理の経験を生かし切れておらず、知見にできていない部分があるのでまずはいろいろな対応の経験をしっかり検証する必要がある」と話しています。

地域ブロック別のがれき発生量

環境省は今回、南海トラフの巨大地震や首都直下地震が起きた際の津波や火災による被害のパターンなどを基に、がれきや津波堆積物の発生量を推計するとともに、全国で発生量が最大になるケースについて地域ブロック別の発生量も示しました。
また、これらを東日本大震災などでの処理実績を参考に、それぞれの地域ブロックにある既存の処理施設だけを使って処理した場合にかかる期間も試算しました。
それによりますと、南海トラフの巨大地震が起きた場合▽関東地方では、がれきが192万トン、津波堆積物が211万トン発生し、処理を終えるまでに3か月から7か月程度かかるということです。
▽中部地方では、がれきが9157万トン、津波堆積物が651万トン発生し、処理を終えるまでに19年2か月から33年8か月程度かかるということです。
▽近畿地方では、がれきが1億1164万トン、津波堆積物が620万トン発生し、処理を終えるまでに29年11か月から44年9か月程度かかるということです。
▽中国地方では、がれきが1511万トン、津波堆積物が109万トン発生し、処理を終えるまでに7年2か月から13年6か月程度かかるということです。
▽四国地方では、がれきが8044万トン、津波堆積物が515万トン発生し、処理を終えるまでに78年9か月から142年1か月程度かかるということです。
▽九州地方では、がれきが2124万トン、津波堆積物が615万トン発生し、処理を終えるまでに5年から9年9か月程度かかるということです。
推計では、津波による被害が予想される中部地方と近畿地方、それに四国地方の発生量が突出していて、3つのブロックのがれきと津波堆積物の発生量を合わせると全体の9割近くに上ります。
また、処理にかかる期間は四国地方で最も長くかかると試算されていますが、環境省は処分場など既存の施設に受け入れる余裕がないことを理由に挙げています。
一方、首都直下地震が起きた場合、関東地方ではがれきが1億1065万トン発生し、この地域ブロックだけで処理を行ったとすると、処理を終えるまでに18年10か月から25年11か月程度かかるということです。

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