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2009-11-23

1. はじめに

日本では、「紋章」と聞いても具体的に何を指すのかあまり知られていないのではないでしょうか。「紋章」とは日本における「家紋」みたいなものです。また盾のような形をしています。「家紋」や「紋章」はデザイン性の高さから、企業のロゴなどにも使われています。日本国内で目を向けても、外車やサッカークラブのエンブレムは「紋章」が元だったりします。例えば、イングランドの紋章 はスリーライオンとも呼ばれ、サッカーイングランド代表のエンブレムでもあります。このスリーライオンは獅子王リチャード一世も使用していたとされる由緒あるものです。現在でも欧米では、「紋章」そのものが国や貴族だけでなく、企業やスポーツクラブの組織などにも使われ身近なものです。例えば、Wikipedia の紋章 なども定められています。「紋章」を知ると、ヨーロッパの歴史が分かってきます。また、創作においても、例えばシェイク・スピアの戯曲などでは雰囲気を出すために紋章やその用語を使っていたりと、知らないよりは少しは知っていた方が楽しめる。というわけで、本稿では「紋章」について語ってみたい。

紋章の起源

「紋章」は「家紋」みたいなもので、デザイン性や視認性、相続されるものなどの通点もありますが、「家紋」と大きく異なるのは「家紋」はその名の通り「家」を表すのに対し、「紋章」は本来「個人」を特定するためのマークであること。本来、と書いたのは現在では個人だけでなく、国や組織にも使用されるから。「紋章」は「家紋」と異なり、個人を識別するので他人と被ってはいけません。たとえ親子や親族であっても同じ紋章を用いてはいけません。ただし、家長が死ぬと家長の紋章は次の家長に相続されます。一般には長男が受け継ぎます。また紋章には厳密なルールが定められており、そのルールを外れると紋章とは認められません。そのため、紋章を管理する紋章院、紋章官という機関、及び役職があります。紋章に厳密なルールが定められている理由は、その起源を遡ると明らかになります。

「紋章」は11世紀頃のドイツに成立したとされています。その後、ヨーロッパ諸国に広まり12〜13世紀ごろには体系化されていたようです。何故ドイツが起源だと分かるのか。それは、紋章記述 を示す英語の blazon が元々ドイツ語だから。紋章記述とは、紋章がどのような図柄なのかを、図面を用いることなく表現する、いわば紋章の説明文のこと。Blazon は ドイツ語で blasen で元々「ホルンを吹き鳴らすもの」を意味します。中世ヨーロッパで行われていた騎乗槍試合において、試合前にホルンの合図で騎士の氏名や階級を説明したことから、blasen (独)→blazon (英)は紋章の説明=紋章記述と解釈されるようになりました。それではなぜ、騎乗槍試合により紋章が体系化されたのでしょうか。

騎乗槍試合において、騎士は全身を甲冑で覆われます。顔が見えないので審判や観衆は誰が戦っているのか区別できません。戦う騎士にいたっては兜の格子状になった所からしか対戦相手が見えませんから、審判や観衆よりも互いの識別が難しくなります。そこで、個人を識別するために「盾」にマークを描いたことが紋章の始まりだとされています。紋章が「盾」の形をしているのは、そのためです。この騎乗槍試合を通して視認性が高く、個人を識別できる紋章が体系化され、厳密なルールが定められていきました。騎乗槍試合以前にも戦場や、あるいは統治のため騎士個人や、統治者を識別するためのマークはありましたが、紋章のように体系化されていませんでした。これらのマークやシンボルは紋章としての厳密なルールもなく、また家長に継承されることもなかったので「紋章」として考えないのが一般的です。

日本では十字軍遠征で個人を識別するために「紋章」が確立したと書かれた本が散見されますが、これは間違いで、十字軍遠征が紋章を広めるのに貢献したと見るのが正しいようです。英語で紋章のことを、Coat of Arms と呼びますが、これは武器や鎧を覆う羽織を指し、十字軍遠征の際に太陽熱で武器や鎧が熱せられるのを防ぐために使用したものです。後に説明しますが、大紋章には羽織や兜が描かれています。

ちなみに・・・家紋の起源

「家紋」の起源については明らかではありませんが、平安時代頃には成立していたらしく、一般的に平安時代に公家が牛車の区別を付けるために紋を用いたことが起こりであるとされています。牛車説も一つの説に過ぎませんけども、牛車が公家に家紋で家を区別することを広めた一因となったのは考えられる話です。その後、武士が戦場で敵味方の区別するために用い始め、鎌倉時代以降に武士が家紋を持つことが定着したようです。紋章も戦場において個人を特定するために広まったことを考えると、共通点が多いですね。ところで、家紋で個人は特定できませんが、家紋と旗の色分けによって個人を認識していました。例えば、皇室儀制令(大正15年皇室令第7号。昭和22年に廃止)では、日本の旗一覧:皇室 のように天皇、皇后、皇太子などのそれぞれの旗が定められていました。

2. 紋章のルール

モスラモスラ 2010/10/12 22:47 はじめまして。
リリスの検索から、ヒットしました。
大変勉強になり、有り難く拝見しております。

ところで、日本の家紋の由来についてですが、
私が若い頃読んだ「梅干しと日本刀(樋口清之著)」では、
その起源は、結(ゆい)にある
と、記されておりました。
結とは、村ごとに存在した女性の結社で、
主に農作業を協力して行うための
組織であったようです。
結婚の際に、花婿が納める結納とは、
本来、この結に納めるもので、
この結社に認められなければ、
男は、晴れて村の一員とはなれなかったのです。

さて、この結に属する女たちには、
家毎に定められた独特の結び目が、
母から娘に代々受け継がれておりました。
使役などで、長期間、
夫が家を留守にするような場合、
下帯を、妻がその結び方で結び、
浮気防止としたらしいのです。

やがて、その模様が、戦場で
個人の識別のために使用されるようになり、
それが、紋章に発展したという話です。

何分、古い記憶なので、
間違っておりましたら、お許し下さいね。

突然のコメント、失礼致しました。m(__)m

lastlinelastline 2010/10/14 10:28 コメントありがとうございます。私が読んだ本の中にも「結」の記述がありましたが、女系だけに伝わる女性紋という紹介でした。嫁入り道具や着物などに用いたらたとありましたが、起源については書いておりませんでした。女性紋を「結」と考えるとしっくりします。私も専門ではなく聞きかじりの知識ですので、はっきりと申し上げることはできませんけども、「結」などが複合化されて家紋に発展したと考えると面白そうです。

モスラモスラ 2010/10/14 17:24 ご丁寧に、恐れ入ります。
紋章の世界は、奥深いですね。
風土や歴史、信仰といったものに、
深く根付いている気がします。
例えば、ユリも、
ただ単に、
聖母の象徴と見るのではなく、
もっと古い時代の女神信仰にまで
遡れば、
その紋章をいただく人物の、
違った側面が見えてくるのかも
しれません。

それにしても、よく勉強して
らっしゃいますね。
また、色々教えて下さいね。
有難うございました。(*^_^*)

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