韓国:元労働者が三菱重工業を提訴 強制労働訴訟は7件目

毎日新聞 2014年02月27日 19時39分

 【ソウル大貫智子】日本の植民地時代に強制連行され三菱重工業で働かされたとして元女子勤労挺身(ていしん)隊員らが27日、同社に対し1人当たり1億5000万ウォン(約1400万円)の損害賠償を求める訴訟を光州地裁に起こした。弁護士によると、韓国で強制連行の元労働者による日本企業に対する訴訟は主なもので計7件目となる。

 原告は元挺身隊員3人と遺族の計4人。1944年5月ごろ、同社の名古屋市内の軍需工場に動員され、悪質な環境で強制労働させられたとしている。

 韓国では2012年に最高裁が個人請求権は消滅していないと初判断。昨年7月にはソウル高裁と釜山高裁で日本企業に賠償を命じる判決を言い渡し、年内にも最高裁の判決が確定する見通し。

 弁護側は、今後も訴訟が相次げば日韓関係に悪影響を及ぼすとして、両国政府と両国企業による支援財団設立を提案している。だが、日本側は65年の日韓請求権協定で解決済みとし、財団は韓国側だけで3月にも発足する予定。弁護側は「日本側が財団に参加する意思を示さないので、現状では裁判以外に解決方法がない」と話す。

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