H2A:打ち上げ成功…全球降水観測衛星、軌道に投入

毎日新聞 2014年02月28日 10時31分(最終更新 02月28日 11時28分)

GPM主衛星などを搭載し、打ち上げられるH2Aロケット23号機=鹿児島県南種子町の種子島宇宙センターで2014年2月28日午前3時37分、徳野仁子撮影
GPM主衛星などを搭載し、打ち上げられるH2Aロケット23号機=鹿児島県南種子町の種子島宇宙センターで2014年2月28日午前3時37分、徳野仁子撮影

 三菱重工業と宇宙航空研究開発機構(JAXA)は28日午前3時37分、鹿児島県・種子島宇宙センターから国産ロケット「H2A」23号機を打ち上げた。JAXAと米航空宇宙局(NASA)が共同で開発した全球降水観測(GPM)計画の主衛星を、約16分後に予定の軌道に投入し、打ち上げは成功した。

 主衛星は高度407キロの軌道を周回しながら、レーダー「DPR」などで雨粒の反射を捉える。約10の副衛星と組み合わせて運用することで、地球全体の降雨を衛星で観測するGPMの体制が整う。収集したデータの分析により、世界的に増加する豪雨や大型台風の予測、長期的な気候変動の把握に役立つことが期待される。本格運用は今秋以降。

 GPM計画は2004年に始まり、費用面の日本側の負担は打ち上げ費を含めて約250億円、米側は約550億円。

 H2A23号機には、国内の7大学がそれぞれ作製した小型衛星も相乗りしており、いずれも予定の軌道に入った模様だ。

 今回の成功で、H2Bロケットも含めたロケット打ち上げ成功率は96.2%(27機中26機が成功)となった。打ち上げ後に記者会見したJAXAの小嶋正弘・プロジェクトマネジャーは「時間通りに打ち上げが行われ、衛星も順調に動いている」と説明した。【渡辺諒、津島史人】

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