被爆者手帳:韓国人の却下処分取り消し訴訟 高裁も棄却
毎日新聞 2014年02月27日 19時14分
長崎原爆で被爆したとして韓国人の郭豊子(カク・プンジャ)さん(75)が長崎市に被爆者健康手帳の却下処分取り消しを求めた訴訟の控訴審判決で、福岡高裁は27日、請求を退けた1審長崎地裁判決を支持し、郭さん側の控訴を棄却した。古賀寛裁判長は「請求に理由がない」と述べた。
郭さんは6歳の時、同市浜平町の疎開先の借家で被爆したとして市に手帳交付を申請。しかし「証明する人がいない」として却下されたため、2011年12月に姉の福南(ポクナム)さん=12年に死亡=と提訴した。1審判決は福南さんが証言していた借家の住所には別人が住み、健康手帳を取得していたとして「証言は矛盾する」と認定した。
控訴審で郭さんは「証言を排斥した1審判決は不当」と訴えたが、古賀裁判長は「(借家の住所を居住地とする)別人の健康手帳申請書などの信用性は高い」と退けた。【山本太一】