アンネの日記:書籍寄贈相次ぐ 「杉原千畝」名の送り主も

毎日新聞 2014年02月27日 20時25分(最終更新 02月28日 00時14分)

イスラエルのレヴィ公使(左)から図書を寄贈された杉並区の田中良区長=東京都杉並区の同区役所で2014年2月27日、戸上文恵撮影
イスラエルのレヴィ公使(左)から図書を寄贈された杉並区の田中良区長=東京都杉並区の同区役所で2014年2月27日、戸上文恵撮影

 東京都内の公立図書館で「アンネの日記」や関連図書300冊以上が破られた事件で、在日イスラエル大使館のペレグ・レヴィ公使らが27日、約120冊の被害に遭った杉並区役所を訪れ、アンネ・フランクに関連する図書3冊を寄贈した。被害図書中には絶版になったものもあるため、被害自治体の要望を聞いたうえで計300冊を寄贈するという。

 レヴィ公使は「報道を悲しい気持ちで聞いたが、日本の方々から温かい言葉や励ましをいただき、感謝の気持ちでいっぱい。友情の証しとして寄贈することにした」と述べた。田中良区長は「事件に強い怒りを感じるが、平和の尊さを皆で考える機会になれば」と話した。区には大使館からの申し出と別に、26日までに8件11冊の寄贈があったという。

 また、都立中央図書館(港区)には「杉原千畝(ちうね)」を名乗る人物から、アンネ関連図書137冊が届いた。同館によると、24日に段ボール箱が届き、「寄贈」と書かれた紙に名前が記されていた。杉原千畝は第二次世界大戦中にナチス・ドイツの迫害から逃れようとしたユダヤ人へビザを発給した元駐リトアニア領事代理。【戸上文恵】

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