旧日本軍の慰安婦問題をめぐる河野官房長官談話について、菅義偉官房長官は28日の衆院予算委員会で「政府の中で、全く秘密の中で検討チームを作り、もう一度掌握し、この問題についてどうするか、しっかりと検討していきたい」と述べ、政府内に検証のためのチームを設置する考えを示した。日本維新の会の山田宏氏の質問に答えた。

 菅氏は、談話作成時に日本政府が韓国側と事前に文言を調整した可能性についても「すりあわせの部分は、どのような形で行われてきたか、しっかり検証し、今後、どういう扱いをするかは検討したい」と答弁した。韓国側との調整の可能性については、談話作成時の官房副長官だった石原信雄氏が20日の同委で「(談話作成の)前段階で韓国側とどのような接触があったかは私は承知していない。まとめる段階で何らかの連絡というか事務的なすり合わせというのがあったかもしれないが、私自身は確認していない」と述べていた。

 菅氏は、談話の根拠となった元慰安婦16人の証言の裏付け調査についても「秘密が保持される中で、政府としてもう一度確認することが必要だろう」と答弁。検証結果の国会への報告については「政府としてはその用意はある。ただ、委員会で決めてほしい」と国会の判断との認識を示した。

 一方、安倍晋三首相はこの日の同委で「(20日の)質疑の後、様々な世論の反応があったと承知している。政治家の仕事の評価は、歴史家や専門家に任せるべきだ」と答弁した。