(C)創通・サンライズ 「『機動戦士ガンダム』が教えてくれた新世代リーダーシップ」(松山 淳 著/株式会社サンライズ 監修)
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幼い頃に憧れた漫画やTVアニメのヒーローたちは、ミドル・マネジャーになる世代となった私たちに、大切なことを教えてくれていました。人の上にたつ「上司」になった今だから、あの名セリフ、名シーンの凄さが深く理解できるようになったのです。私たちに馴染み深い『機動戦士ガンダム』に登場するキャラクターの行動から、リーダーが大事にしたい5つのリーダースタイルを提案している「『機動戦士ガンダム』が教えてくれた新世代リーダーシップ」の刊行を記念して、今回はリーダーに大切にしてほしい3つのことを「シャア・アズナブル」の言動から解説します。
戦いにあって、なぜシャアはクールでいられるのか?
『機動戦士ガンダム』はアムロ・レイが主人公ですが、もうひとりの主役として"赤い彗星"の異名をもつシャア・アズナブルの名をあげられます。「冷静沈着な行動」「謎めいた生い立ち」「敵の裏をかく攻撃手法」など、その行動特性と仮面の下のイケメンぶりで、シャアは男女問わず圧倒的な人気です。
幼い頃は、「かっこいい!」という単純な理由からシャアに憧れました。しかし、彼は作中では指揮官であり、そのリーダーシップ・スタイルをつぶさに観察すると、ビジネス・リーダーになる世代となった私たちに多くのことを教えてくれるヒーローとして、今なお、憧れの存在といえるのです。
シャアの人間性を一言で表現するなら「クール」です。「クール」は、「冷静」はもちろん、「クール・ジャパン」という言葉がある通り、「イケてる」「かっこいい」「凛々しい」をも意味します。シャアは、部下を前にして常に冷静であり、「イケてる男」「凛々しいリーダー」として私たちを魅了します。
"戦いとはいつも2手3手先を考えて行うものだ"(第2話『ガンダム破壊命令』)
神出鬼没な戦略・戦術でホワイトベースのクルーたちを苦しめた、彼の有名なセリフです。このセリフから、彼が優れた「大局観」をもっていたことがわかります。地理的、時間的により大きな尺度をもって先を読み、目の前で展開する現実の出来事に処していくのは、リーダーに必要な資質です。
初手の失敗を想定して、次の一手を常に考えておく。これは戦いの原理原則であり、クールさを維持するコツです。「悲観的に戦略をたて、楽観的に行動せよ」といいます。先のコトを考え、例え失敗があっても次の手があれば、私たちは失敗に遭遇した時に、冷静でいられます。シャアのクールさは、彼が常に「先読み」をして、現実を想定内にすることで可能だったといえます。
「先読みのシャア」の真骨頂は、第5話で繰り広げられた「大気圏突入戦」です。ホワイトベースは、宇宙から地球連邦軍の本部基地「ジャブロー」に向かうために、大気圏に突入。この直前にシャアは攻撃をしかけます。戦闘時間は数分。常識にとらわれないシャアらしい奇襲です。この戦闘で、ホワイトベースを取り逃がすものの、シャアは地球への進入角度をずらし、ジオン公国軍が制圧する北米エリアへとホワイトベースを誘導することに成功します。副官のドレンが2段構えの作戦であったことに気づき、それを指摘するとシャアはいいます。
"戦いは非情さ、そのくらいのことは考えている"(第5話『大気圏突入』)
シャアにとって「先読み」とは「そのくらいのこと」なのです。私たちは、彼の性格が「先天的にクールである」というより、「大局観をもって入念に練られた作戦を準備する」という「基本」を守っているからこそ、そのクールさが成立している点に着目すべきでしょう。
「段取り八分」「最も準備する者に幸運の女神は微笑む」など、準備の大切さを諭す言葉は多くあります。準備は仕事の「基本」です。シャアが作戦の失敗を悔いる部下に、"構うな。全員脱出する。作戦が失敗となればただちに撤退だ、いいな?"(第30話『小さな防衛戦』)と諭す場面があります。「撤退を決断したら迷わず逃げる」が戦いの「基本」です。シャアは「神出鬼没」といわれながら、「基本に忠実」な指揮官だった点も、彼のクールさの秘訣であり、見逃してはならないシャアの魅力です。
2014/2/28 16:30 更新
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