元プロボクサーで、39歳でデビューした演歌歌手・山崎ていじ(56)が27日、東京・港区の烏森神社で新曲「昭和男唄」のヒット祈願を行った。ソチ五輪で41歳にして悲願の個人戦銀メダルを獲得した葛西紀明に「感動した」という山崎は、「あのホール(NHKホール)で年末に歌いたい」。また相撲界の新星として注目を集める遠藤(23)のエールも受け、“演歌界のレジェンド”になる決意を見せた。
演歌界にも“レジェンド”を目指す男がいた。プロボクサーから歌手へ転向した異色の56歳が、葛西の雄姿を胸に刻み、夢のNHKホールへテークオフした。
故障もあってプロボクサーの道をあきらめ、歌の世界に飛び込んだが「40歳までに芽が出なかったら田舎(島根)に帰る」という覚悟を決めた39歳の時に悲願のデビューを果たした。味のある低音を持ち味としながらその後も苦しい日々は続いたが、今回の新曲で漢字の「山崎悌史」からひらがなの「山崎ていじ」に改名し、歌手人生を懸ける。そんな中、深夜のテレビ中継で目に飛び込んできたのが葛西の大ジャンプだった。「あきらめないという気持ちですよね。いつかご褒美がもらえるんだと勇気をもらいました。僕もアスリートだったので分かる。感動しました」
もう1人、強力な助っ人がいる。異例のスピード出世で角界に旋風を起こす遠藤だ。師匠の追手風親方と以前から知り合いだったこともあって、入門時から遠藤を応援してきた。「とてもいい子で、必ずメールを返してくれる」。この日も「僕もていじさんと同じように一歩一歩、横綱を目指して頑張っていきたい。1人のファンとして応援します」というメッセージが届いた。「彼は来年横綱になってるかも。僕も今年が勝負の年なので頑張って来年彼と張り合えたら」。さらに尊敬する五木ひろし(65)からは特製の“五つ星ブローチ”をもらい、「歌謡界のトップにはひらがなが多いのであやかりたい」と己を奮い立たせた。
不器用な昭和男が亡き妻への感謝をささげる新曲「昭和男唄」で、大みそかのNHKホールを目指す。「みなさんに勇気を持っていただけるような歌を歌っていきたい」。金でも銀でもない。紅白色のメダルを狙う。
◆山崎 ていじ(やまざき・ていじ)1957年7月8日、島根・浜田市生まれ。56歳。高校卒業後、京都の塚原ジムでプロボクサーに。79年には西日本新人王決定戦ミドル級で現タレントのトミーズ雅(北村雅英)と決勝戦を戦う。96年にプロ歌手となり、01年に「桜川慕情」でメジャーデビュー。身長180センチ、体重73キロ。
[2014/2/28-06:00 スポーツ報知]