刺激を加えると黄緑色の発光物質を尻から出す「ホタルミミズ」の発見例が全国で相次いでいる。なかなか確認されず珍種とされていたが、研究家らの調査で“見つけるコツ”が判明。学校の校庭など、身近な場所にもいることが分かった。兵庫県内でも観察会が開かれるなど、ちょっとしたブームになっている。(竹本拓也)
ホタルミミズは体長2~4センチ、胴回りは約1ミリ。11月ごろから春先にかけて見つかり、ピンセットなどで突くと、暗闇で黄緑色に光る粘液を出す。
発光生物を研究する名古屋大大学院生命農学研究科の大場裕一助教(43)によると、学術的に確認されたホタルミミズはわずか30事例ほど。ところが最近の研究で、地表にある特徴的なふんの塊のすぐ下に生息しているケースが多いことなどが判明し、発見例が一気に増え始めた。
兵庫県朝来市立東河(とが)小学校(同市和田山町東和田)では先日、2002年に県内で初めてホタルミミズを発見した近くの歯科技工士、稲津賢和(まさかず)さん(61)が、3年生を対象に初の観察会を開いた。
児童たちはスプーンを手に、校庭の隅へ。ふんを目印に探して土を薄く削り、15分足らずで10匹ほどつかまえた。真っ暗にした備品庫に持ち込み刺激を加えると、ミミズたちは激しく体をくねらせ、黄緑色に光る物質を出し始めた。児童の一人(9)は「こんなにきれいに光るなんて」と“自然の神秘”に大はしゃぎだった。
大場助教によると、ホタルミミズが発光物質を出すのは天敵を驚かせて逃げるため‐などの説がある。ただ、確実なことは分かっておらず、卵が見つからないなど生態の多くは謎のままだ。
ミミズに関するウェブサイトを運営している日本土壌動物学会会員の柴田康平さん(64)=西宮市出身=は「子どもたちが謎を一つでも解明すれば、世紀の発見になる可能性もある」と関心の高まりに期待を寄せている。
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