■住宅価格下落でLTV比率上昇
住宅価格の下落で、物件の担保評価額に占める住宅担保ローンの貸出残高の割合(LTV比率)が上昇している。金融当局によると、銀行による住宅ローンのLTV比率は昨年末現在で平均50.5%となっており、昨年初めに比べ0.5ポイント上昇した。
LTV比率を40-60%とすることが融資時の条件となっているが、同比率が高いほど、債務返済負担が増大することを意味する。
金融当局関係者は「LTV比率は平均が50%前後という意味であって、住宅価格が大幅に下落した地域では70%を上回っている」と指摘した。
首都圏限定で規制されているDTI比率(月収に占める元利返済額の割合)は、昨年末時点で昨年初めに比べ3ポイント低い36%だった。DTI比率が首都圏では50-60%を超えないように規制されており、数値が低いほど、債務返済負担が小さいことを示す。
一見数値は低いように見えるが、実はDTI比率も問題だ。LTV比率とDTI比率の規制が併存する首都圏では、融資残高51兆6000億ウォン(約4兆9400億円)の70%でLTV比率とDTI比率のいずれかが規制最低ラインの50%を超えた。LTV比率とDTI比率の双方が50%を超えた融資も8兆1000億ウォン(約7800億円)あった。
■低下する返済能力
個人の債務返済能力はますます低下している。可処分所得に占める債務の割合は、08年には149.7%だったが、12年末には163.8%に上昇した。極端に言えば、年収の全額を債務返済に充てても、完済まで1年半以上かかることを意味する。経済協力開発機構(OECD)の加盟国平均(134.8%)を30ポイント近く上回っている。ドイツ(93.2%)、米国(114.9%)、カナダ(154.3%)などに比べ高い水準にある。
特に低所得層で債務返済能力が急速に低下している。現代経済研究院によると、所得が全体の中央値の50%未満の低所得層が金融機関から受けた融資の残高は、平均で12年の2578万ウォン(約247万円)から3667万ウォン(約351万円)へと1100万ウォン近く増えた。しかし、可処分所得は同じ期間に934万ウォン(約89万円)から884万ウォン(約85万円)へと逆に50万ウォン減少した。