韓国政府が27日、家計債務対策を打ち出したのは、家計債務が1000兆ウォン(約96兆円)を突破し、総量規制が急がれる点に加えて、家計債務の質が急速に低下しているためだ。
低所得層を中心に家計債務の増加が目立ち、景気低迷で所得が増えない中、債務返済能力がまずます低下している。金融委員会の申斉潤(シン・ジェユン)委員長も「家計債務の構造が金利上昇や金詰まりに弱く、債務が所得よりも急なペースで増えており、家計の健全性が悪化を続けている」と懸念を示した。
■銀行以外の融資急増
大きな問題は韓国で「第2金融圏」と呼ばれる銀行以外の金融機関による高金利の融資が増えていることだ。昨年の銀行の融資残高は481兆1000億ウォン(約46兆600億円)だったのに対し、銀行以外による融資残高が481兆9000億ウォン(約46兆1400億円)に達し、銀行以外による融資が初めて上回った。2010年末の362兆2000億ウォン(約34兆6800億円)と比べ、3年で120兆ウォン(約11兆4900億円)近く増加した計算だ。同じ期間の銀行による融資残高の伸びが50兆ウォン(約4兆7900億円)だったのに比べ、増加ペースが2倍以上速い。
特に昨年第4四半期(10-12月)には、銀行以外の融資が15兆8000億ウォン(約1兆5100億円)も増えた。これは銀行の融資審査を通らず、貸金業者の高金利ローンを利用する層が増えたことを示している。資金需要に対し、所得は増えないため、結局は借金でっ生活を支える人が増えている格好だ。また、不動産賃貸時の保証金が急騰し、保証金に充てるためのローンがかなり増えたことも一因とみられる。
さらに、住宅などの担保を差し入れない無担保ローンの残高が大幅に増えた。担保がないため、それだけ金利も高い。預金銀行と非銀行金融機関(貯蓄銀行、セマウル金庫)による住宅担保ローンは昨年、前年比1兆7000億ウォン(約1600億円)増の13兆9000億ウォン(約1兆3300億円)だったのに対し、無担保ローンは5兆3000億ウォン(約5100億円)増の13兆4000億ウォン(約1兆2800億円)に達した。