訃報:まど・みちおさん104歳=詩人、童謡「ぞうさん」

毎日新聞 2014年02月28日 10時50分(最終更新 02月28日 12時10分)

詩人のまど・みちおさん=東京都稲城市で2009年、内藤絵美撮影
詩人のまど・みちおさん=東京都稲城市で2009年、内藤絵美撮影

 童謡「ぞうさん」「一ねんせいになったら」の作詞で知られる詩人、まど・みちお(本名・石田道雄=いしだ・みちお)さんが28日、老衰のため死去した。104歳だった。葬儀は近親者で営む。自宅は川崎市麻生区金程2の6の11。喪主は長男石田京(たかし)さん。

 山口県徳山町(現周南市)出身。25歳で幼年雑誌「コドモノクニ」に投稿した童謡2編が選者の北原白秋に認められ、詩や童謡の世界にデビュー。34歳で召集され、シンガポールで終戦を迎えた。戦後は雑誌「チャイルドブック」などの編集をしながら「やぎさんゆうびん」「ふしぎなポケット」「一ねんせいになったら」など童謡の歌詞を手がけた。「ぞうさん」(団伊玖磨作曲)は1952年NHKラジオで放送され、国民的な愛唱歌となった。

 50代から詩を中心に制作し、「てんぷらぴりぴり」(野間児童文芸賞)をはじめ多数の詩集を発表。皇后さまが詩を英訳した絵本「どうぶつたち(THE ANIMALS)」が92年、日米同時出版された。94年には「児童文学のノーベル賞」といわれる国際アンデルセン賞作家賞を受賞した。【山崎明子】

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