ニュージーランド戦のメンバー発表記者会見で、記者の質問に答えるサッカー日本代表のザッケローニ監督=東京都文京区のJFAハウス
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日本サッカー協会は27日、ワールドカップ(W杯)イヤーの2014年初戦となる国際親善試合・ニュージーランド代表戦(3月5日・国立競技場)に臨む日本代表23人を発表し、本田圭佑(ACミラン)らが選ばれた。負傷の影響で長谷部誠(ニュルンベルク)と内田篤人(シャルケ)は外れ、駒野友一(磐田)、青山敏弘(広島)と工藤壮人(柏)が復帰。W杯本大会に向けたメンバー選考に関し、ザッケローニ監督は「本当のラストスパートが始まる」と実績を排除したサバイバルを打ち出した。
W杯開幕まで3カ月半。このタイミングでザック監督の口から飛び出した“ゼロ競争”宣言。単なるアドバルーン? サバイバルの激化は本意だろうが、W杯へ向かう手だても抜かりがあってはならない。
「ここから本当のラストスパートが始まる。W杯に向けて、誰にも約束されているポジションはない。これまでのパフォーマンス、キャリアを重視するのではなく、W杯までの4カ月でいかにアピールしてくれるか、成長の証しを見せてくれるかが大切になってくる」
香川や本田、長友ら中心軸が外れることは想像できなくても、あくまでも横一直線。そんなサバイバルを選手たちに課す以上、ザック監督自身にも相応の覚悟が求められる。
「今回のような状況(主力の長谷部、内田が故障不在)に陥っても、そこから別の良いニュース、新しい発見があるかもしれないと思っている」
塞翁(さいおう)が馬−。サッカーに故障、コンディション不良は付き物。それを現場の最高責任者として誤算とは言ってほしくない。「転ばぬ先のつえ」を見つけ、戦力として確信するためのNZ戦であり、W杯までの準備期間なのだ。
この時期のゼロ競争宣言は、W杯後に「故障者が出なければ…」と申し開きする余地を自ら断ち切ることを意味する。選手は戦い、ハイレベルで競い合う。指揮官も戦い、決意を持って見極める。ラストサバイバルのホイッスルが、まもなく吹かれる。
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