大阪市内で唯一営業していた阪神百貨店梅田本店(北区)の屋上遊園地が28日に閉園する。入居ビルの老朽化に伴う建て替え準備のため。屋上遊園地が全国的に流行する中で誕生したが、近年は娯楽の多様化などで来園者数は減少。同様の施設の閉鎖が相次ぐ中、老若男女に親しまれた梅田の屋上遊園地もいよいよ56年の歴史に幕を下ろす。
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28日に閉園する屋上遊園地でバッテリーカーを押す村上さん=大阪市北区の阪神百貨店梅田本店屋上 |
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1960年代の屋上遊園地。モノレールが走り、ヒーローショーが行われた=阪神百貨店提供 |
同遊園地は1958年3月、8階建て百貨店の開店とともに「屋上遊戯施設」としてオープン。63年にはビルの増築により、現在の12階部分の屋上でも営業するようになった。
遊園地を運営する三島商会社長の村上洋人さん(63)によると、全盛の80年代は1日約2千人が来園。親子連れやアベック、老夫婦などが訪れ、ミニ観覧車やモノレール型の乗り物をはじめヒーローショーも楽しんだ。
「古くても人気のある機種を大事にしてきた」と村上さんは話し、往時をほうふつとさせるアトラクションは今も健在だ。
園内には動物、人気キャラクターをモチーフにしたバッテリーカーや常設の乗り物のほか、古いものでは70年代のゲーム機も。人気の「ジャンピングラリー」は、玉をはじいて駒を進めるすごろくゲームで、1回30円。周回する光をタイミングよく止めるゲーム「おしゃべりオーム」は、1回わずか10円。いずれも景品はカプセル入りのおもちゃ。
村上さんは「ちょっとしたものでもうれしいでしょ」と笑みを浮かべる。
百貨店が入る大阪神ビルディングと、隣接する新阪急ビルの老朽化に伴う建て替えが発表されたのは昨年3月。着工時期は未定だが、百貨店広報によると屋上遊園地の閉園は「建て替え準備のため」という。
遊園地を取り巻く環境は「娯楽の多様化や少子化」(村上さん)によって来園者数は減少し、休日の多い日でも1日200組ほどだ。
「閉園は残念だが、長年多くの人に利用してもらえ感謝の気持ち」と村上さんは屋上遊園地と共に歩んだ日々を振り返り、こう続けた。「たくさんの笑顔をもらった」
同遊園地は28日まで毎日営業。午前10時〜午後5時半。
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