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「つながり」を支える地域医療連携ネットワーク、距離と時間を克服
2014年2月12日、医療サービスの公定料金ともいわれる診療報酬の改定に向け、厚生労働相に諮問機関の中央社会保険医療協議会が答申を出しました。答申では団塊の世代全員が75歳以上となる2025年に備え、「病棟から在宅への転換」を報酬面で意識したものとなっています。在宅への移行を進める医療機関を高く評価するほか、在宅医療を支援する診療所に手厚く診療報酬を配分することを検討しています。
一例を挙げると、高血圧症、糖尿病、脂質異常症、認知症という4つの疾病のうち、2つ以上にかかっている患者です。主治医として患者を診断する診療所または病院(200床未満)の医師は患者の健康管理のため、すべての病院で処方された薬の把握や在宅医療に対応できることなどを条件として課されるようです。こうした条件を実現するには、地域における病院同士の情報共有が不可欠となります。地域医療連携ネットワークなどITネットワークに新たな役割が生みだされるという期待が高まるところです。
診療報酬改定の答申と同じ日に、「地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律案」(介護保険法や医療法の一部改正法案)が閣議決定されました。前にも述べましたが、2015年には医療法が8年ぶりに改正になるといわれています。この閣議決定を受けて、「医療機能の分化と連携、ならびに在宅医療」に向けて舵が切られるものと考えられています。
来たる将来に向け地域医療の現場は、高齢化社会での地域での包括的なケアを視野に入れながら、地域での連携や医療と介護の連携など、地域や職種をまたぐ「人のつながり」を意識した活動を求められています。今後こうした動きの影響を受け、地域医療連携ネットワークが果たす役割も増えるでしょう。
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