2014年2月27日22時26分
人形浄瑠璃文楽の最長老で人間国宝の太夫(浄瑠璃語り)、竹本住大夫(たけもとすみたゆう)さん(89)が、5月の東京・国立劇場公演「沓掛村」を最後に引退することが27日わかった。高齢に加え、2012年に発症した脳梗塞(こうそく)の後遺症が思うように回復せず、現役を退く決意を固めた。4月の本拠地・大阪での国立文楽劇場公演とともに引退興行とする予定。28日夕、大阪市内で会見し、理由や心境を語る。
住大夫さんは幼時に人間国宝・先代住大夫の養子となり、1946年4月、二代豊竹古靱(こうつぼ)大夫に入門。同年8月初舞台。85年、七代住大夫襲名。自認する悪声を逆手に、研鑽(けんさん)を重ねた明瞭かつ情味あふれる浄瑠璃で時代物、世話物を問わず活躍し、近松ものでも独自の境地を築いた。
最高峰の切場(きりば=最高潮の場面)語りとして文楽界を牽引(けんいん)してきたが、当時の橋下徹・大阪市長の市政改革に伴う補助金見直し問題が浮上していた12年7月、脳梗塞で倒れた。右半身と言語に残った後遺症のリハビリを重ね、翌年1月に文楽劇場で舞台復帰。今年2月の国立劇場公演にも出演していた。朝日賞、菊池寛賞など受賞多数。05年文化功労者。(西本ゆか)
おすすめコンテンツ
※Twitterのサービスが混み合っている時など、ツイートが表示されない場合もあります。
PR比べてお得!