文章から余分なものを省いて簡潔に「CEOのようなメール」を書く方法
CEOたるもの、いろいろなことを気にかけなければいけません。特に重要なのはおそらく、時間の使い方でしょう。フォーチュン500企業であれ新興企業であれ、CEOにはやるべきことがたくさんあります。そして、世界経済のただなかにあっては、1秒たりとも無駄にはできません。
起業したばかりのころ、原文筆者はチームのメンバーに、よく小説のようなメールを送っていました。そのせいで、長々としたメールのやりとりが延々と続き、筆者とチームメンバーたちの時間がおおいに無駄になってしまいました。ほどなくして筆者は、「ゴミを省く」ことを学び、本当に伝えたい1つか2つの大切なポイントだけに要点を絞るようになりました。
長すぎるメールは読めない。簡潔にすること
メールのやりとりに時間を費やすのは、生産的とはいえません。ちなみに、もっと非生産的なのは長電話をすることです。
筆者個人は、CEOの経験はまだ数年しかありませんが、会長や経営陣は国際的なビジネス経験が豊富で、CEOや経営幹部としての経験は、合わせて30年以上にもなります。彼らとのコミュニケーションを教訓に、筆者はメールの書き方を変え、いっそう簡潔に書くようになりました。時には、単語1つで終わるメールもあるほどです。
手はじめとして確実な方法は、筆者が「ゴミ」と呼ぶ内容を省くことです。ここで、その例を見てみましょう。
こんにちは、アンドリュー。ある興味深い機会についてお伝えしたいと思い、メールさせていただきました(ゴミ! 前置きはいいから、すぐに本題に入ること。「こんにちは」も不要。『AOL Instant Messenger』じゃないんだから!)。お目にかかれて光栄です。ABC社のジョン・スミスです(いつ会ったの?)。あなたのこれまでのお仕事をじっくり拝見させていただきました。あなたと一緒なら、すばらしい仕事ができると思っています(ゴミ! おべっかを使う人は好かれません。読み手の時間を無駄にするだけです。このメールを読みはじめてから、まだ5秒しか経っていませんが、もう削除したくなりました)。弊社はニューヨークにあり、創設者はx、y、zです(ゴミ! 申し訳ありませんが、どうでもいいです。私の時間を無駄にしないでください)。弊社は現在、Xを手がけています(やっと本題)。弊社のサービスはFacebookよりも優れています。というのも、かくかくしかじか(ゴミ! 判断はこちらがします)。世間でXといわれているのは承知していますが、私どもはそうではなく、Yと考えています(ゴミ! あなたは何を手伝ってくれるのか、あるいは私は何を手伝えるのか?)。一度、電話でお話しする機会をいただけたらと思います(たぶん、実現しないでしょう)。
CEOのようなメールを書く
アンドリューへ
問題Xの解決について、あなたに協力できればと思っています。私はYを手がけていて、Zによれば、あなたの仕事と関係があるそうです。今週、お話しする時間はありますか?
どうですか。単刀直入で簡潔。こちらの問題の解決にも言及しています。
ここで、CEOのようなメールを書くための効果的な練習方法をお教えしましょう。Twitterと同じ文字制限があるつもりで書くことです。この練習を積んでいけば、言葉の選択がどんどん研ぎ澄まされていきます。そのうちに、長々としたメールの返信から解放されて、1週間につき何時間も節約できるようになるはずです。
もっと細かい対応が必要なメールについては、電話の予定を立てましょう。すぐに電話する約束をして、通話は5~10分以内に終わらせましょう。5~10分よりも長く話す必要があるなら、ランチミーティングの時間をつくって、実際に会って話をすると良いでしょう。
とはいえ、コミュニケーションをとる際には、できるだけ慎重に状況を分析するようにしましょう。本当に10分の電話が必要でしょうか? いくつかの簡潔なツイートに要点をまとめることはできませんか? メールにしろほかの通信手段にしろ、やりとりをする際には、「クリティカルシンキング(批判的思考)」を心がけ、効率的に考えるようにしましょう。この注意事項は、あなたが「時間を節約したいCEO」であっても、「CEOの注意を引きたい失業者」であっても、同じように当てはまります。そこに気をつけるだけで、返信をもらえる確率が飛躍的に高まり、時間を大幅に節約できるはずです。
CEOのようにメールを書くコツがわかりましたか? もっと手がかりがほしいなら、自分なりに最高の「CEOメール」を書いてAndrew@Kuhcoon.comあてに送り、自分のメールが筆者の注意を引くかどうか、確かめてみてください。
▲CEOメール アンドリュー、CEOメールに関するあなたの記事は、できの悪いものでした。あなたの注意、引けましたか? 2:23PM
合格です。
注記:筆者の会社の会長を含む多くの方から、「だからといって、CEOが長話をすべきでないということにはならない。複雑で入り組んだ問題を解決する際には、長くクリエイティブな議論も必要だ」と指摘するメールをいただきました。まったくそのとおりです。オープンな対話や、実際に顔を合わせての対等な議論は、難しい問題をクリティカルに考えるのに役立ちます。
How to Write Emails Like a CEO|Medium
Andrew Torba(原文/訳:梅田智世/ガリレオ)
- ゼロ秒思考 頭がよくなる世界一シンプルなトレーニング
- 赤羽 雄二|ダイヤモンド社