政府は冷戦時代に米国から研究用として提供を受けていたプルトニウムを返還する方向で調整に入った。対象は日本が保有するプルトニウム約44トンのうちの約300キログラム。高濃度で核兵器にも転用可能な核物質だ。
米国や旧ソ連が各国に研究用燃料として提供したプルトニウムや高濃縮ウランなどについて、米国は2001年の同時テロ以降、テロリストに渡ることを防ぐために各国に返還を求めている。
政府は3月24~25日にオランダ・ハーグで開く核安全保障サミットで発表する方針。核不拡散への積極的な姿勢を示すとともに、日米関係の強化にもつなげたい考えだ。
対象となるのは、日本原子力研究開発機構の原子力科学研究所(茨城県東海村)にある高速炉臨界実験装置(FCA)で使う総重量331キログラムのプルトニウム。FCAは現在、稼働していない。再稼働する場合は米国から低濃縮ウランなど軍事転用には向かない代替燃料の提供を受けて使う。
日本で所管する文部科学省は研究に必要として返還に慎重だったが、安倍政権内ではオバマ政権の意向に配慮すべきだとの意見が強まった。菅義偉官房長官は26日の記者会見で「核物質のセキュリティー強化を重視している」と述べた。
核安全保障サミットは、「核なき世界」を掲げるオバマ米大統領が主導して10年にワシントンで初めて開いた。今回は3回目で、安倍晋三首相が出席を検討している。研究用プルトニウム返還を、原子力発電所や核物質を標的にしたテロへの対策を強化する法整備などと併せ、日本の核安全保障の取り組みとして説明する予定だ。
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