選挙:知事選 告示まで1カ月 “共産”VS“非共産” 現職・山田氏と小児科医・尾崎氏、事実上の一騎打ちか /京都

毎日新聞 2014年02月22日 地方版

 任期満了に伴う府知事選(3月20日告示、4月6日投開票)の告示まで1カ月を切った21日、府選管は立候補予定者説明会を開いた。3陣営が出席したが、実質的に準備を進めているのは4選を目指す現職の山田啓二氏(59)と、新人で小児科医の尾崎望氏(59)。ともに無所属で立候補を表明しているが、山田氏には自民、公明、民主の府政与党3会派などが、尾崎氏には共産がそれぞれ支援に回り、事実上「非共産VS共産」の一騎打ちとなる見込みだ。【藤田文亮、花澤茂人】

 山田氏については、公明が党本部推薦とし、知事選の党推薦を3期までと決めている自民と民主は府連推薦とした。23日に選挙母体「活力ある京都をつくる会(活力京都)」の選対本部が発足する。長年続く枠組みだが、今回は一枚岩とは言えない状況が生まれている。

 府内では、蜷川虎三氏が知事を務めた1950年からの7期28年間革新府政が続いた歴史がある。2012年の京都市長選で同様の構図の一騎打ちとなり、自公民などの支援を受けた門川大作氏が小差で逃げ切るなど、共産の地盤は強固だ。このため1982年の知事選から経済団体なども含め非共産勢力が集まって活力京都を設立し、自民主導で現職知事の選挙母体としてきた。

 民主に政権交代した後の前回知事選は、相乗りを認めない民主党本部の方針から山田氏は政党推薦を求めず、活力京都の名称は「希望の京都をつくる府民の会」に変更され、実質的に民主が主導権を握った。政権を奪還した自民は今回、主導権を明らかにするため名称を活力京都に戻し、更に、これまで3党一緒に組んでいた選対本部を自公だけで組織した。民主とは活力京都内の「政党協議会」で支援内容を協議する、との方針を示している。

 「民主には前回混乱させた反省がない」(自民府連幹部)、「自民は与党としての矜持(きょうじ)を見せるべきだ」(民主府連幹部)、「大人げない対応では、今後の府政運営や選挙に禍根を残す」(公明府本部幹部)。三者三様の思いのまま実質的な選挙戦を迎える。

 一方、尾崎氏は、政党推薦を出した共産を中心に、労働組合や医師、弁護士のグループなどが加わった「府政転換 世直し京都府民ネットワーク(世直し府民ネット)」が選挙母体。これまでの知事選で共産推薦候補の母体だった「民主府政の会」は、世直し府民ネットの構成団体の一つとした。

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