地方鉄道の橋やトンネルを長寿命化、国が補助金

2014/02/25

 国土交通省は、地方の鉄道の老朽化した橋梁やトンネルなどを長寿命化する工事への補助金を創設した。2013年度補正予算の成立を受けて、3月末までに制度の詳細を固める方針だ。補正予算で国費として9億円を確保したほか、国会で審議中の14年度予算案にも2億200万円を計上している。補助の割合は工事費の3分の1とする方針だ。

 補助金の名称は「鉄道施設安全対策事業費補助金」。国交省はJRグループのうち東日本、東海、西日本の本州3社および大手私鉄を除く、主に中小の鉄道事業者を対象とする方向で検討している。自治体にも支出を要請し、鉄道事業者の負担額を工事費の3分の1程度に抑えたい考えだ。

 長寿命化するのは鉄道施設のなかでも橋梁などの土木構造物で、経年劣化を解消するだけでなく、例えば橋梁の塗膜が劣化した箇所に重防食塗装を施すなど、長持ちさせるための工事を行う場合に補助する。同省鉄道局施設課によると、老朽化した鉄道施設の補修に対する補助金は過去にもあったが、長寿命化を目的としたものは初めてだという。

 下のグラフは、国交省が13年4月に開いた第1回「鉄道構造物の維持管理に関する基準の検証会議」に提出した資料の一部。全国の鉄道にある橋梁やトンネルの平均築年数はともに50年以上だ。同省は、対症療法的な補修だけでは安全性の長期的な向上が見込めないと考え、長寿命化を促進する制度を設けた。

■鉄道施設のストック量(橋梁)
施設の平均築年数は56年(資料:国土交通省)
施設の平均築年数は56年(資料:国土交通省)

■鉄道施設のストック量(トンネル)
施設の平均築年数は62年(資料:国土交通省)
施設の平均築年数は62年(資料:国土交通省)

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安藤 剛日経コンストラクション

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