アジアからの五輪展望:/上 平昌へ、3強結集を=朝鮮日報スポーツ部次長・姜鎬哲

毎日新聞 2014年02月27日 東京朝刊

 ソチ五輪は、54兆ウォン(約5兆1500億円)という巨額が投資されたが、宿舎の開業が一部で遅れるなど、至らない点もあった。世界は、ソチ五輪を見ながら「4年後の平昌はどうだろうか」という考えを心の中から消すことができなかっただろう。

 だが世界の人々は平昌五輪のスムーズな開催を心配しなくてもよい。3回目の招致挑戦で実現させた冬季五輪への切なる思いは、国民の胸にしっかり根を下ろしている。大規模な国際スポーツイベントを成功させてきた経験も、平昌の成功を確信させる最大の自信となっている。

 平昌五輪は国家的な行事だ。大会を成功させるために政府と国会が、開催都市である平昌と有機的な協力体制を築いている。平昌では今年から各種競技場と選手村、メディア村、プレスセンター、そして各種の交通網建設が始まる。約7000億ウォン(約670億円)かけて建設される各種の競技場は、2016年10月に完工する。各種の交通網構築にも3500億ウォン(約330億円)を超える投資がなされ、同年12月の完工を目標にしている。

 韓国選手団は、ソチ五輪での成績に少し不満な部分があった。フィギュアスケート女子で目標にしていた金メダルを取ることができず、3大会連続で冬季五輪の獲得メダル「トップ10」に入るという目標を果たせなかった。雪上種目では、依然として世界との距離が遠いということも感じた。だが、希望がなかったわけではない。リュージュやボブスレー、スケルトンなど、まったく活躍できていなかった種目で善戦し、カーリング女子も4年後にはメダルを狙えるかもしれないという可能性を感じさせた。

 ソチ五輪で韓国と日本、中国はそれなりに善戦した。中国が金3、銀4、銅2で12位となり、韓国が金3、銀3、銅2で13位。日本も金1、銀4、銅3で17位。冬季五輪はまだアジアではなじみのないものだ。メダルを取ったのは、韓国、日本、中国の3カ国だけ。平昌が「新たな地平線」を大会スローガンとしたことには、冬季五輪の舞台でもアジアの力を育もうという考えも込められている。

 平昌五輪は韓国だけの大会ではない。人口40億人を超えるアジアの力量を集めて開かれる大会でもある。アジアの冬季スポーツ3強が、善意の競争を繰り広げ、力を合わせていかねばならない理由がここにある。(朝鮮日報スポーツ部次長・姜鎬哲(カン・ホチョル)=翻訳・澤田克己)

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