インターネット上のみに存在する仮想通貨「ビットコイン」。低い手数料でネット通販の決済や国際送金に使うことができるため、海外では利用者が増えているが、日本ではまだ少ない。使い勝手はどうなのか、記者が実際に入手して利用してみた。
■都内に主力取引所
まず手持ちの円とビットコインを交換するため、取引所を探す。ネット上には20程度のビットコイン専門の取引所があるというが、全取引量(月間約500億円)の約7割を占める「Mt.Gox(MTG、マウントゴックス)」の運営企業が東京都内にあると聞き、ネットで口座を作った。
個人情報を登録し、運転免許証など個人と住所を証明する書類をスキャンして送信する。ネット銀行に口座を作るのと同様の手続きで、30分程度で申請作業は完了。2日ほどで口座ができた。試しに3万円を自分の銀行口座からMTG指定の銀行口座に振り込むと、翌日にはMTGに開設した新口座に3万円が転送されていた。
ビットコインの相場は円相場と同じように、刻一刻と変動する。7月1日には1ビットコイン(BTC)=9000円前後だったが、5日に6000円台まで下落。手続きが完了するまでに相場が上昇し、結局8960円の時点で3ビットコイン注文した。
1分以内に取引が成立し取引手数料は0.6%。2万6880円相当のビットコインを手に入れるのに160円ほどかかった。MTGの登録者数は現在、世界で57万人。米国人が36%を占め、次いで英国人7%、中国人5%、日本人は約1650人と1%にも満たない。
「ビットコインストア」という米国の電子商取引(EC)サイトを見つけ、入手したビットコインで腕時計を買うことにした。価格は0.91BTC(当時の相場で77ドル)。購入を決定すると「15分以内にビットコインアドレスへ振り込め」と指示があった。
このアドレスは数字や英文字を組み合わせた口座番号のようなもの。アドレスをコピーしてMTGの口座サイトに行きそのままはり付け、配送料込みのビットコイン料金を打ち込むと一瞬で決済され驚いた。
最初なので仕組みがよくわからず手続きに5分程度かかったが、慣れれば30秒とかからないだろう。決済に関する手数料はゼロ。クレジットカードでドル決済する場合は1%強の為替・事務手数料がかかることが多い。1週間後、自宅に無事腕時計が届いた。
ビットコインを使える店もある。六本木のレストラン「ピンク・カウ」は7月下旬、ビットコインで飲食代を決済できるようにした。QRコードをスマホで読み取ると、簡単に決済できる。オーナーのトレイシー・コンソーリさんは「クレジットカード会社に手数料を払う必要もなく、慣れればすぐに決済できるから便利よ」と話していた。
ビットコイン、ネット通販
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