NHK会長:理事に辞表要求 全員提出、日付は空欄

毎日新聞 2014年02月25日 19時23分(最終更新 02月25日 22時47分)

衆院総務委員会に参考人として出席し、NHK職員に囲まれて質問を聞く籾井勝人会長(中央)。左端は浜田健一郎経営委員長=国会内で2014年2月25日午後1時49分、藤井太郎撮影
衆院総務委員会に参考人として出席し、NHK職員に囲まれて質問を聞く籾井勝人会長(中央)。左端は浜田健一郎経営委員長=国会内で2014年2月25日午後1時49分、藤井太郎撮影

 NHKの籾井勝人(もみい・かつと)会長(70)が、1月25日の就任初日に会長、副会長を補佐する理事10人全員に辞表の提出を求め、実際に提出させていたことが25日、分かった。衆院総務委員会で、参考人招致された理事全員が、事実を認めた。任期満了前に辞表を提出させたのは、人事権の強化を図る狙いがあったともみられる。

 籾井会長は当初、理事に辞表の提出を求めたかどうかについて「人事上の問題であり、コメントを差し控える」と述べ、回答を避けていた。だが、理事らが日付を空欄のまま署名・押印した辞表を提出したことを明らかにすると、「事実をそのまま述べた。それはそれで結構」と述べ、事実であることを認めた。辞表提出を求めた狙いには答えなかった。

 関係者によると、籾井会長は就任当日、理事らを前に、人心一新を図るかのような発言をし、理事に不安が広がっていた。これまでに辞任した理事はいない。籾井会長は今月で任期満了を迎える専務理事2人の再任を決めており、この日の委員会で「3月末という大事な時期を控え、2人の専務理事の力は必要と感じた」と再任の理由を述べた。過去にも辞表を求めた会長はいるという。【有田浩子】

最新写真特集