2014年2月26日01時23分
中国の国会にあたる全国人民代表大会(全人代)の常務委員会は25日、9月3日を「抗日戦争勝利記念日」、12月13日を「南京大虐殺犠牲者国家追悼日」とする法案について審議した。近く国家の記念日として正式に決定されるとみられる。国営新華社通信が25日、伝えた。
中国が日中間の歴史的な出来事が起きた日を、法律で国家記念日と定めるのは極めて異例。国家レベルの記念日とすることで、安倍晋三首相の靖国神社参拝や歴史認識問題を国を挙げて批判していく意思を明確に示すとともに、安倍政権の歴史認識の問題点を国際社会に広く訴えかける狙いがあるとみられる。
同委員会が審議した法案は、中国で抗日戦争の勝利を祝う日である9月3日を「日本の帝国主義・侵略戦争に中国人民が抵抗した日であり、世界の反ファシズム戦争の重要な構成部分」であると指摘。また、旧日本軍が南京を占領した12月13日については「40日以上にわたる大虐殺が始まった日」と位置づけた。「30万人あまりが虐殺され、内外を震えさせた国際法違反の残虐行為があった」と指摘し、今後は国を挙げて追悼行事を行っていく方針を示した。(北京=倉重奈苗)
■「日本敵視に転換か」
中国の国会にあたる全国人民代表大会(全人代)の常務委員会が、「南京大虐殺犠牲者国家追悼日」を公式の記念日とする見通しとなったことについて、日本の外務省幹部は「首相の靖国参拝以降、中国は安倍政権批判を強めてきたが、さらに日本全体を敵視する政策に転換するターニングポイントになるのではないか」と語り、日中関係のさらなる悪化に懸念を示した。官邸スタッフの一人は「南京陥落前後は、程度の差こそあれ略奪や暴行があったのは事実。日本が表立って騒ぐのは得策ではない」と述べ、当面静観する意向を示した。
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朝日新聞国際報道部
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