脱原発・東電株主運動
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脱原発は革新勢力だけでは不可能――都知事選を脱原発勝手連で闘って
 2月9日、全国の期待の中、東京都知事選挙は無惨な結果に終わった。安倍首相は早速、一時棚上げしていた、原発をベース電源とすると謳ったエネルギー基本計画の閣議決定を月末にも実行すると発表し、再稼働への切符も手に入れたと大喜びである。

 昨年末、自らの選挙資金として徳州会から5000万円を借りたことが発覚し、猪瀬都知事は辞任に追い込まれた。これをチャンスにするため、多くの方々が候補者探しに奔走した。私も鎌田慧さんなどと連絡を取り合い、候補者を探した。そこにあったのは、「この闘いは勝たなければならない」「秘密保護法の次に来る暗黒の時代にストップをかけなければならない」「そのためには、革新勢力だけでない、保守勢力をも巻き込める候補者でなければならない」そんな悲痛な思いだった。

 そして私たちの思いが通じたかのように、細川護煕元総理が立候補するようだとの知らせが入り、小泉純一郎元総理とタッグを組み、「原発即ゼロ」のシングルイシューで闘うという。みんなが興奮した。30年前、40年前から原発をゼロにしたいと闘ってきた人びとである。全国各地の原発現地からも期待が寄せられ、広瀬隆さんも樋口健二さんも福島菊次郎さんも応援した。

 当然、「いい人が出馬すれば降りる」と言っていた宇都宮健児さんは立候補を取りやめると思った。しかし、宇都宮さんは「原発より他にも大事な課題がある」と、あっさりと安倍の原発争点隠しに加担してしまった。どんなに素晴らしい政策が実施され、貧困がなくなり豊かになっても、原発が事故を起こせば生活の基盤はすべて失われる。どの政策よりもまず脱原発を実現し、安全を確保することが最優先課題だとの認識が3.11以降の「脱原発」の思いだったのではないのか? またしても、命よりも目先の経済(貧困問題も)だと国民を騙すのか?

 河合弘之さん、鎌田慧さんを共同代表に都内の市民団体、環境NGO、自治体議員が結集し「脱原発都知事を実現する会」を結成、候補者一本化に向けての話し合いも行い、この流れは最後の最後まで諦めずに行われた。同時並行で私たちは「脱原発勝手連」を結成し、細川護煕さんを応援した。四谷3丁目に事務所を置き、一部は細川選対の強力なサポートをし、独自に確認チラシ50万枚を撒ききった。現在の公職選挙法では公示後にできることは限られているため、私はもっぱらTwitterを駆使して広報活動に務め、事務所に詰めた。

 Twitter仲間がイギリスから里帰りし、OFF会を開いたことで、リアルに繋がった人びとが選挙を応援、連日事務所では「兎のアイコンの○○です」「黒猫の△△です」などという自己紹介が飛び交い、そこにはかつて自治体の議員だった人や、選挙は初めてだというネットの達人などもいて、事務所は活気を帯びていった。

 細川さんへの応援もご自身で名乗りを上げてくださり、中には「明日から仕事が減るだろうと思いつつも、ここで黙っていてはいけない」と立ち上がってくださった俳優や作曲家、歌舞伎役者などもいらした。91歳の瀬戸内寂聴さんは「みなさん心配してくださるけど、情熱を失ったら老いるの。私は情熱があるから恋もできるし革命だって起こせる」と演説。

 細川さんも小泉さんも「首相でありながら原発の安全神話に騙されていた」ことを毎回詫び、「原子力ムラとの対決」を誓い、「日本が戦前のようになっている」ことを危惧して、2万人もの聴衆が集まった銀座4丁目では細川さん小泉さん2人で1時間以上も熱を込めて語り、大きな拍手が何度も起こった。

 しかし、マスコミは「聴衆を写すな」「原発問題を流すな」などの規制をし、争点隠しどころか都知事選隠しをし、冬季オリンピックも使われた。
 そして数十年ぶりの大雪に見舞われた東京は投票率46%。自民公明の組織票を固めた舛添要一氏が当選してしまった。細川さんは政党の支援もなく組織票もない中で100万票近い票を掘り起こした。投票率65%になれば奇跡は起こせると闘ったが、雪とマスコミと、そして何よりも過去を許さない人びとに負けた。

 宇都宮票と細川票を合わせたものが脱原発票だなどと言う人がいるが、潔く負けを認めないこれまでの闘い方が今、私たちの前に暗い影を落としている安倍ファシズムを産み出したのではないか? 100%政策が一致する候補者を担ぎ、負け続けた結果、選挙制度でも公職選挙法でも不自由な闘いを強いられている。議員選挙であれば、主義主張を前面に出すのは正しいかもしれない。しかし首長選挙は勝たなければ意味がない。この千載一遇のチャンスを逃してしまった私たち。

 幸い、細川さんも小泉さんも脱原発の闘いは続けると言っている。保守層の方々とのルートを断ち切らず、相互交流をしながら「命」を守る闘いを続けなければいけないと思っている。そして次回の都知事選では、市民が分断されることなく保守市民とも連携して統一脱原発都知事を実現しなければならない。(K)
*「脱原発・東電株主運動ニュース」No.235(2014年2月16日発行)に掲載されたものです。
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コメント

随分と勝手なことをおっしゃるのですねぇ
降りるべきは細川氏の方だったのではないんですか?
あなたは選挙結果を見て無いようなのでお教えしますが、宇都宮氏が2位、あなたの大好きな細川氏は3位だったのですよ?
これから考えれば降りるべきは細川氏だったのではないですか?あなたみたいな道理の通らない人間がいるから「脱原発」が前に進まないのです。本当に不愉快なのでコメントさせていただきました。
[2014/02/25 16:41] URL | ふざけるな #klcj.0UQ [ 編集 ]


「何よりも過去を許さない人びとに負けた」?
また随分と身勝手なことを言ってくれますね。
総理時代の所業に対して謝罪も反省もろくにしない小泉を、何が悲しくて許す必要があるんですか。
「反原発」を旗印にすればすべてをご破算に出来る、なんて甘えにいつまでもしがみついていた細川陣営が負けたのは、ただの自業自得ですよ。
まあどうやら、貧困や雇用の「目先の問題」を徹底的に軽視する態度を改める様子はないようなので、少なくとも現役世代の支持を、あなた方がこれ以上集めることは不可能なんじゃないですかね。お金持ちと一緒に闘争ごっこでもなさっててくださいな。

ところで、結局宇都宮氏も細川氏も、一本化する意志は全くなかったのに(政策がまるで異なるんだから当然ですが)、細川氏の勝手連?の皆さんは外野で好き放題に騒ぎまくってて、全く迷惑な人達ですね。いったい選挙をなんだと思ってるんですか。
[2014/02/25 17:49] URL | 甘えるなよ #- [ 編集 ]


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