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コラム:中国で金融危機が起きない理由=カレツキー氏

2014年 02月 26日 14:27 JST
 
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[24日 ロイター] - アナトール・カレツキー

中国経済の急減速は、世界経済が今年直面する最大リスクの1つとみられている。20日発表された2月のHSBC中国製造業購買担当者景気指数(PMI)が7カ月ぶり低水準だったことも、こうした懸念に拍車をかけた。

しかし本当に重要なニュースからは、中国経済が正反対の方向を向いていることが見て取れる。同国銀行による1月の新規人民元建て融資は、多くのエコノミストの予想に反し、前月の水準の約3倍に拡大し、2010年1月以来4年ぶりの高水準となった。

このことは、向こう数カ月の間、中国が世界経済にブレーキをかける可能性は低いことを意味している。さらに、中国で信用危機や金融危機が起きるとの予想は誤りか、少なくとも時期尚早であることを示唆している。

銀行融資の拡大を歓迎することは、同国債務が国内総生産(GDP)成長率の2倍のペースで増加することは持続不可能であり、最終的には抑制が不可避ということを否定するものではない。中国当局がそのように考えていることは明らかだ。政府と中国人民銀行(中央銀行)は、債務の伸びを抑制し、不透明な「影の銀行(シャドーバンキング)」が、適切な監督が行き届いた近代的銀行に取って代わることを望んでいる。

ただ中国政府は債務抑制のほかに、それと同等もしくはより重要とみなす経済的目標を2つ掲げている。

昨年11月の「三中全会」(中国共産党第18期中央委員会第3回全体会議)では、最優先すべき3つの改革が明確に打ち出された。

1つ目は、インフラ投資や輸出に過度に依存する経済から、消費を増やして内需主導型の経済に再編すること。   続く...

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