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太陽光バブル最前線・九州 メガソーラー乱開発で「エコ」と矛盾も



WEDGE編集部

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ビジネスの現場で日々発生しているファクトを、時間軸の長い視点で深く掘り下げて、日本の本質に迫る「WEDGE REPORT」。「現象の羅列」や「安易なランキング」ではなく、個別現象の根底にある流れとは何か、問題の根本はどこにあるのかを読み解きます。

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「空枠取り」と「小分け」の横行

 過熱するソーラーバブルのなかで、事業者はどんな動きをしているのか。

 大分県下でナンバー1の太陽光発電施工実績を持つ日出(ひじ)電機(速見郡日出町)は、FIT開始1年ですでに自社所有で7000kW、顧客所有(日出電機はO&M〔運転管理・保守点検〕を受託)で1万5000kWを設置した。14年7月には累計で自社2万3000kW、顧客4万5000kWにまで伸ばす予定だ。

 4~5年で自社発電所を5万W規模に拡大したいと言う同社の渡邉浩司専務は、「土地の仕入れがカギ。地場の強みを発揮できる。よい情報が入ったら、多少のリスクはあっても即金で買うくらいのスピード感が必要」と語る。

 同社は長らく電設業を営み、早くから住宅用太陽光を手掛け、この分野に地の利があった。11年夏、菅直人首相(当時)がFITに言及すると、直ちに実験設備をつくって予行演習を始めた。国内外の代表的な太陽光パネルを並べ、出力特性の把握を行ったと言う。

 しかし、日出電機のようなまっとうな競争力を磨いている事業者ばかりではないようだ。小誌13年4月号10月号で既報のとおり、FIT開始後目立つのは「空枠取り」「ブローカー」「小分け」といった、制度の間隙を突く体の悪い「小銭稼ぎ」である。

 42円/kW時という、世界最高の買取価格(12年度)を確定させるために12年度中に書類申請だけ行い、太陽光パネルの価格低下を狙って意図的に運転開始を遅らせるのが「空枠取り」。当初から発電事業をする気はなく、42円だけ確定させて、土地や買取価格の権利を転売するのが「ブローカー」。50kW未満の低圧連系であれば、数百万円かかるキュービクル(高圧受電設備)が不要、年間50~70万円かかる電気主任技術者が不要、電力会社との系統接続の事前検討が不要(21万円の費用も不要)だから、例えば1万kWのメガソーラーを49.9kW×200件に分けるのが「小分け」である。

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