頭蓋骨の博物館:死を見つめ生きる意味を問う 尼崎
毎日新聞 2014年02月25日 17時56分(最終更新 02月25日 18時25分)
兵庫県尼崎市の頭蓋骨(ずがいこつ)博物館「シャレコーベ・ミュージアム」には実物の人の頭蓋骨のほか、食器やTシャツ、ライターなどのグッズ7000点以上が並ぶ。
館長の河本圭司さん(70)は、関西医科大の元脳神経外科教授で現名誉教授。1000例を超える手術経験を持つ脳腫瘍の専門家だ。仕事柄、触れることが多かった頭蓋骨の収集にのめり込み、大学を退職した2011年、自らデザインし、巨大な頭蓋骨が張り付いた3階建てのミュージアムを開いた。
館内にはドクロがあしらわれた生活用品やおもちゃ、祭礼に使われたお面などが並ぶほか、人類の進化に伴う頭蓋骨の変遷、頭蓋骨の病気の解説など学術的な内容も充実している。
河本さんは「海外では骸骨を身近なものとする文化がある一方、日本では不気味で怖いという先入観が根強い。展示を通じて、死を見つめ、より良く生きることの意味を考えるきっかけにしてほしい」と語っている。
4月から毎週日曜は予約なしで入場できる。人類考古学者や警察の科学捜査研究所職員らの講演も予定されている。問い合わせはメール(skull-museum@m9.dion.ne.jp)で。【幾島健太郎】