東前頭筆頭になり、「生きることに必死」としたためた絵馬を奉納する遠藤=堺市北区の百舌鳥八幡宮で(横田信哉撮影)
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大相撲春場所(3月9日初日、大阪市ボディメーカーコロシアム)の番付が24日、発表された。1月の初場所で11勝4敗の好成績を挙げ、敢闘賞を受賞した遠藤(23)=追手風=が東前頭筆頭に上がった。上位陣と総当たりになり、勝ち越せば三役昇進と期待は膨らむばかり。同じ1990年生まれでフィギュアスケートの浅田真央の活躍を励みに、初場所に続く好成績を残す。
番付表の名前をなかなか確認できなかった。堺市北区の追手風部屋宿舎で行われた会見。遠藤は「名前が見つからなかった」と探すのに手間取った。先場所の西前頭10枚目から、入幕4場所目で自己最高位の東前頭筆頭へ。最初は下位の方ばかりを見ていたからだ。
「ここまで上がるんだ、と思って自分でもびっくりしている。(1年前は)想像できなかった」。まだ、ざんばら髪。昨年デビューした大阪の地で、大躍進に思わず笑みがこぼれた。
刺激される人がいる。フィギュアスケートの浅田真央だ。ソチ五輪で印象に残った場面を問われると「真央ちゃんのフリー」と即答。もちろん、ショートプログラムの失敗から盛り返して、日本中を感動させたフリーもテレビで観戦した。
この日初めて着た羽織の色は、浅田がフリーで身にまとっていた衣装と同じ青色。「狙ったワケではない」というが、浅田と同い年で自身を「真央ちゃん世代」と位置付ける。意識する存在なのだ。
春場所は横綱、大関陣全員に挑戦する。「不安と楽しみは半々ぐらいですね。初日の前までに『楽しみだ』と言えるように稽古していきたい。若々しく向かっていきたいですね」と遠藤。会見後は宿舎のある百舌鳥(もず)八幡宮で絵馬に、タレントの明石家さんまからもらった「生きることに必死」という言葉を書いて掛けた。
まずは15日間、遠藤が一心不乱に上位陣との取組を乗り切る。そうすれば、真央ちゃんに続いて日本中をわかせる結果もついてくるはずだ。 (永井響太)
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