旧海軍機:「流星」風防、熊本の民家で保管
毎日新聞 2014年02月24日 07時30分(最終更新 02月24日 12時19分)
市民団体「熊本の戦争遺跡研究会」(事務局・熊本県玉名市)などは23日、太平洋戦争末期に生産された旧海軍艦上攻撃機「流星」の風防が同県八代市の民家で見つかったと発表した。国内に現存する唯一の「流星」の機体の一部という。
研究会などによると、流星は1944年4月から約110機生産された。戦後、1機が米国のスミソニアン航空宇宙博物館に分解保存されているが、機体は国内で確認されていなかった。
見つかった風防は、六つあるパーツのうち五つで、全長約4メートル、高さ約5〜80センチ、幅約15〜83センチ。強度のあるガラスやアクリル材などで作られ、内側に機銃固定用の金具などが残る。
流星の風防は当時、三陽航機八代工場(同市)で生産された記録があり、見つかった風防も同工場で生産された未使用品。工場関係者の男性(故人)が保管していたものを2008年に八代市の男性が譲り受け、自宅車庫で保存していた。
一般財団法人日本航空協会(東京都)の長島宏行副部長は「形状から流星の風防と思われる。保存状態も比較的良く、貴重な資料だ」とコメントした。
風防は8月、玉名市の市立歴史博物館で公開される予定。
現代史家の秦郁彦さんによると、流星は敗戦の日の1945年8月15日、玉音放送前に千葉県木更津基地から特攻出撃した。【井川加菜美、遠山和宏】