アンネの日記:本破損 いとこの財団会長「ショック」
毎日新聞 2014年02月25日 08時10分
東京都内の公立図書館が所蔵する「アンネの日記」や関連書籍300冊以上が破られた問題で、アンネ・フランクのいとこで、アンネ・フランク財団(オランダ・アムステルダム)会長のバディ・エリアスさん(88)が「大きなショックを受けている。早く真相を知りたい」とホロコースト記念館(広島県福山市)に伝えた。大塚信館長(65)は「日本人として申し訳ない。ホロコーストのむごたらしさをよく知らない人が破いているのではないか」と話している。
大塚館長によると23日夜、バディさんと電話で話したという。スイス在住のバディさんは今回の事件をドイツ大手紙の報道で知り、心を痛めているという。ホロコースト記念館はアンネの足跡を伝えている。大塚館長は1971年に、イスラエルでアンネの父オットーさんと知り合い、日本でホロコーストの悲劇を伝える活動を続け、アンネの家族や親戚とも親交がある。
同館はアンネの生誕85年を記念し、3月から全国巡回のパネル展を開催する。東京でも6月、キリスト教会や公共図書館などで展示を企画している。大塚館長は「アンネが日記に託した平和を追求する思いを子供に伝えていきたい」と語った。【菅沼舞】