2014年 灘中 1日目9 灘中入試を20分で解こう②
2014年 灘中1日目9 灘中入試を20分で解こう②
今年度の図形はどれも平易でした。
7 中心から垂線を引く
8 台形ペケポン+グラフの考え方
10 分けて隣辺比
11 パップスギュルダンの定理
と解き方を悩む部分がありません。
9もそういう意味では簡単なのですが、この問題が簡単と思えるかどうかに
合格のヒントが隠されていると思います。
まず、時間(分)を比で表し、横から見た図を書きます。
60cm以上は不要なので書いていません。
次にセンターラインを引きます。
?=2.7×3=8.1
6.3+8.1=14.4(分)=14(分)24(秒)
この問題が簡単な理由は、この解きかたが過去に出題されているからです。
平成5年2日目5で最初に出題され、その後もう一度1日目で出題されました。
また東大寺でもほぼ同じ問題が出ています。
いくつか書かれている解説を見ると、延長したり、
台形ピラミッド=平行線などとおっしゃっているかたもいらっしゃいます。
この問題を今回取り上げたのは、過去問に対する取り組み方です。
台形の面積=(上底+下底)×高さ÷2
台形の面積=センターライン×高さ
台形の面積1つとっても2つの考え方があります。
このように勉強していけば、
俗に言う『ひらめき』の力が養われるのではないでしょうか。
よく、教育相談で『ひらめき』が足りないとかいうかたがいらっしゃいますが、
それは先天的なものではないと思います。
視野の広さは授業を通じて伝えるべき最優先事項だと考えます。
灘中必勝パターン200、的中問題…
自ら自分を保護するために壁を作っていませんか?
壁の外に新しい世界があります。
絶えず新しい考え方を模索し、新しい世界に飛び出していくこと、
それが毎日は無理でもそういう姿勢で勉強に臨むことが
灘中合格に向かって歩んでいるということです。
つるかめ算=面積図ではありません。
面積図にはどういう利点があるのか考えることが大切です。
台形の公式=(上底+下底)×高さ÷2ではありません。
台形にはどのような特徴があるのか考えることが大切です。
ちなみに、パップスギュルダンの定理はどういう形に適応できるか知っていますか?
体積=面積×重心の移動距離
表面積=まわりの長さ×重心の移動距離
某大手塾の灘中特訓では、三角形と正偶数角形と教えられますが、
正解ではありません。
ヒントは、体積と表面積は適応する条件がちがいます。
よく公式の意味を考えれば分かるはず。
これは0組でやると必ずうける鉄板ネタなのでここからは書きません。
ネットで検索しても無駄です。
意味を考えること、自らの手で模索することがもっとも大切です。
2014年 灘中 2日目 2 灘中入試を20分で解こう①
2014年 灘中2日目 2 灘中入試を20分で解こう①
たったこれだけです。図さえ必要ありません。
この問題が簡単に解ける理由は2つあります。
(2)の式中の、太字の『×3』は、和に注目する考え方のなかでも、
最も基本的な考え方であるN回目の出会いというもので
ラボの教室生に限らず、一般的な受験生なら誰でも知っている考え方です。
☆(1)で求めた値を使わないで比を用いること
☆ダイヤグラムを使わないこと
ところが、この考え方を使えず、
「灘の速さ=ダイヤグラム」とかいう意味のない学習をしている受験生は、
頑張って正答に近づこうとして、手数、時間をかけて
不正解に近づいてしまったのかもしれません。
ラボでは、あえて、前期のダイヤグラムは最終回に、
後期は真ん中の回に持ってきて、
まず、ひたすらに問題に対する切り口(視点)を身につけるように指導します。
例えば今年度に限らず、昨年度の灘の速さは『同じ休み』、
甲陽の速さは『平均速度』が出題されました。
問題に対する切り口を身につけないで、
解くためのツールであるダイヤグラムだけを教え込むのは、
駒の動かし方だけ教えて、将棋名人に勝てというようなものです。
「灘の速さはダイヤグラム」というのは、
「場合の数は書き出し」といって的中しましたというぐらいナンセンスです。
ナンセンスどころか、本質を見極められないひとつの要因だとさえ思います。
俯瞰する力を磨くことが、本当の速さの勉強です。
ダイヤグラムを極めればこそ、この場面で使わないという決断が導けるということが灘中入試の本質です。
だいたい、灘の速さ=ダイヤグラム、
洛南の速さ=ダイヤグラム、
よって 灘の速さ=洛南の速さ ?????
論理学の初歩ですね。
時代が変わろうと、学びの本質は変わりません。
昨年度、浜学園の合格体験記で総代の子が『見えない景色が見えてくる』と書いていました。
答えをなぞるのではなく、しっかり自分の道を歩めば、登り始めます。
どんな景色が見えるか楽しみですね。