新種感染症:関東、東北、北海道のマダニから原因ウイルス

毎日新聞 2014年02月25日 14時12分(最終更新 02月25日 15時08分)

 マダニが媒介する新種の感染症「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」について、国立感染症研究所は25日、これまで患者が報告されていなかった関東、東北、北海道で採取したマダニから原因ウイルスが見つかったと発表した。新たに確認されたのは三重、滋賀、京都、長野、岐阜、栃木、群馬、岩手、宮城、北海道の10道府県に及んだ。

 国内では、2013年1月に初の死亡例が確認された。昨年12月までの1年間に西日本の12県で計40人の患者が報告され、うち13人が死亡している。これまでの調査では中部地方まで拡大していることが確認されていた。

 SFTSはマダニに刺されることで発症し、高熱や倦怠(けんたい)感、腹痛、嘔吐(おうと)、下痢、意識障害、口の中や消化管の出血などの症状が出る。潜伏期間は6日〜2週間。特効薬はない。

 マダニは野山に生息し、室内にいるイエダニの約10倍と大きく、血を吸うと体長1センチ以上にふくれあがる。春から秋にかけて活動が活発になるため、厚生労働省は「ウイルスを持つマダニが確認されていない地域であっても、山や草むらなどに入るときは、肌を露出しないよう注意してほしい」と呼び掛けている。【須田桃子】

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