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IVS 2013 Spring: 強い経営チームを創る(前編)

ミクシィ・川崎氏「トップの覚悟の浅さを下は見抜く」 – ITトップ企業が語る、強い経営チームの創り方

ミクシィ・川崎氏「トップの覚悟の浅さを下は見抜く」 – ITトップ企業が語る、強い経営チームの創り方
経営チームは内で育てるのか、外部調達か、はたまた創業メンバーの成長に賭けるのか。役員は一つの役割に過ぎないとするサイバーエージェントと、”外様”が社長に就任したmixi(ミクシィ)、創業メンバーが今も中心となるGREE(グリー)の三社が、それぞれ異なる経営チームのリアリティを語ります。
(※この記事はIVS 2013 Spring「強い経営チームを創る」を書き起こし・編集したもので、各社の役職・人事等は2013年春当時のものです)

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【スピーカー】
株式会社ミクシィ 執行役員 クロスファンクション室室長 
株式会社ミクシィ 取締役 執行役員 経営推進本部長 
GREE株式会社 代表取締役社長 
GREE株式会社 取締役 執行委員副社長 事業戦略本部長 
株式会社サイバーエージェント 取締役副社長 ソーシャルゲーム事業管轄 
株式会社サイバーエージェント 取締役 人事管轄 

【モデレーター】
株式会社プロノバ 代表取締役社長 岡島悦子 氏

【この記事のヘッドライン】
・経営陣は育てる?外部から招く?
・“裸の王様”にならないために関係者を増やす – GREEの経営チーム
・役員入れ替え制度「CA8」誕生の経緯 – サイバーエージェントの経営チーム
・経営が踊り場を迎えると、人は足を引っ張り合う – ミクシィの経営チーム
・トップの覚悟の浅さを下は見抜く

経営陣は育てる? 外部から招く?

岡島悦子(以下、岡島):プロノバの岡島でございます。プロノバは「プロの場」という意味で、まさにこのセッションのテーマ「経営のプロのチームを創る、強くしていく」というような仕事を10年以上やっております。

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タイムリーなセッションですね。ミクシィさんが2013年6月25日の株主総会以降、創業者の笠原さんが退いて新体制になるということで、そんな話題も満載でお届けしていこうと思っています。メンバーを仕組んだ(インフィニティ・ベンチャーズの)小林さんはさすがですね。何故これを仕組めていたのかとちょっと思ったりはしますが(笑)。

ここにいらっしゃる方々は3者3様で経営チームをずっと作って来られてるんですが、今日は事業戦略では無く、経営チームをどういうふうに作って来られたのか、どんどんドメイン(事業領域)が変わられたり海外に出られたり、色んなことをされていると思うので、そういった中で、三者三様のどんな思いのもとに経営チームを強くしてこられているのかということを、綺麗ごとも無くリアリティを持って伺っていきたいと思っております。

大きく3つくらいお伺いしたいと思っているのですが、最初に各社さんそれぞれ、経年の中で経営チームをどういうふうに強化してきたのか、ミッションや戦略との関連やその背景なんかも伺えたらなと思っております。内部で量産する会社さんも、外部から招く会社さんも、創業のままその方達がどんどん大きくしているケースも、はたまたミクシィさんのように経営陣入れ替えのタイミングとかも含めて、どういう風に考えていくのかその辺伺えたらなと思ってます。

“裸の王様”にならないために関係者を増やす – GREEの経営チーム

では、GREEさんから伺っていきたいなと思います。今、経営陣はこういう5人でやってらっしゃいます。

GREE経営陣_R

GREE創業からの変遷_R

まず田中さんにお伺いしたいのは、創業メンバーからずっと変わらず、田中さん・山岸さん・藤本さんでやってこられてるじゃないですか。売り上げが一気に伸びて、ドメインもどんどん変わっていってる中で、お3人がしっかりと役割分担をしながらそれぞれ成長されているからこそ、あまり入れ替えずに済んでるのかなと思うんです。どんなことを考えてこられて、今後どうされていくんでしょうか?

田中良和(以下、田中):そうですね。こういうのは全く答えが無い世界なので、私はこう思って進めてきた、ってだけのお話になります。

世の中では、社長をどんどん変えたほうがいい、大企業になったら変わったほうがいいってことをよく言うと思います。それはそれでもちろんいいんですが、Googleのセルゲイ・ブリンとラリー・ペイジ、Facebookのマーク・ザッカーバーグらのように社長で創業者で、そのまま会社の規模をデカくして、それでも経営出来てるって人も存在してるし、米Yahoo!のジェリー・ヤンとかDellのマイケル・デルらのように途中で「俺辞めたー」みたいな感じで辞めると、その数年後に会社もまずくなるパターンもあります。

自分の理想としては、会社やってる人会社自体も同じ速度で大きく成長できれば一番美しいのかなと。僕は楽天にずっといたこともあって、三木谷さんがそうだなと社員の時から僭越ながら思ってました。自分もそうなれたら一番いいなと思ってますし、トップを変えることが目的になるのもおかしいので、自分以外の人もより成長出来ているのであれば、同じ経営陣でいいのかなってことで常に純増をしています。

岡島:変えないでこれていることをある意味すごく幸せというか、会社の成長も伸びているということで、結果として素晴らしいと思います。

田中:そうですね。自分でも本当に結果論でしかないなと思うところもあるので、うまくいけば正当化される、失敗すればその逆ということだと思っています。

岡島:ただ海外の子会社が出来てきたりということもあって、いわばミニ経営者のように、執行役員のような方達にはどんどん権限移譲して任せていっている感じですか?

田中:役員(常勤の取締役)は5人でやってるし、中核の事業をやっているのもこの5人なんですが、僕が直接マネジメントしている執行役員的な人達っていうのは10~15人いますので、そういった2つのチームでやってます。

特にうちの会社のように創業者で大株主で社長で、みたいな人がいると、取締役会すら自分で全て任命出来てしまうといった変な状況になってしまうので、取締役会と社外取締役を上手く入れていったり、執行役員会みたいなものを作ったりと、あとは普通の会社とは違う形で運営することが求められてると思います。そうしないと自分が思ったことが何でも通りすぎてしまうんで。

岡島:裸の王様になりかねないと。

田中:そういうのがありますので、この表に出てない人達を含め、ここ8年9年で関係者をどんどん増やしていっています。

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