逆に聞こう。艦これのハッピーエンドはケッコンカッコカリ以外にあるのだろうか

 個人的に艦これは「2-4までは面白いバランスのブラウザゲーム」だと思っている。

 最初はもろい駆逐艦から始まって、軽巡洋艦重巡洋艦にステップアップし1-4あたりで軽空母手に入れて赤城をもらう。

 で、戦艦をぼちぼち集めて鍛えなおして2-4に挑む。

 少しずつインフレしていって確実に強い艦娘を揃えて行く。

 それが終わった後に最初に弱いと思われていた駆逐艦を鍛えなおす3-2キス島撤退作戦があるわけだ。

 ちなみにVita版はここらのバランスを上手く長く持ってくれればそれなりの良ゲーにはなると思っている。

 

 しかしここらで2-4の強化版のような運ゲーマップが増える。

 ゲージがあろうとなかろうとあまり関係はない。

 ラスボス羅針盤に振り回され、ボスで夜戦を仕掛ける。

 まぁ、それはいい。

 

 では、終わりはどこにあるんだろうか。

 

 深海棲艦が艦娘との同一性が疑われている。

 というよりも間違いなく轟沈した艦娘は深海棲艦になるし、もしかするとドロップした艦娘は深海棲艦が浄化されたものかもしれない。

 そういう構図がある以上、彼女達も終わらない太平洋戦争を続けているのかもしれない。

 明日のアップデートで神通改二と共に南方海域の5-4が解放されるとのことだが、ここを必死でクリアした所で戦いが終わるとは到底思えない。

 

 

 良く史実ネタが引き合いにされるが、もし史実通りに「敗戦」したらどうなるのだろうか。

 史実ではマッカーサー率いる米国によって占領政策が行われた。

 ここらへんは政治的な部分もあるので深い言及は避けるが、まぁ彼らの占領政策は悪い事も良い事もあったと思うのだ。

 

 

 では深海棲艦の占領政策とはなんなのか。

 もしそんなことになったら、まぁみんな仲良く深海棲艦化しそうだよなぁとしか思えない。

 艦これの「敗戦」はどうしても敵が敵なだけにSF的なセカイ系エンドが想像出来てしまう。

 

 ただシミュレーションゲームと違って、明確な勝利もなければ敗北もない。今の所。

 轟沈という圧倒的な絶望はあるものの結局それ以外は資源ですら時間を置けば回復する。

 だからこそ終わらないし、兵器の為に作られた彼女達は戦い続ける。

 

 ゲーム的な話をしよう。

 元々ソーシャルゲーム系に近い所があるから「終わらないバランス」のゲームではある。

 だから大きなイベントがあるからそれに備えろと言われている。

 イベント突破は一つの区切りだ。

 

 しかし問題は二つある。

 一つはそのイベント自体も運ゲー過ぎるという事。

 これに関しては秋イベントで荒れたからそっちに言及されたブログをリンクさせてもらう。

 

セラミックロケッツ!: 提督の咆哮 その一 あるいは艦これイベント「決戦!鉄底海峡を抜けて!」で何故海が荒れたのか

 

艦これのイベントについて僕も考えてみた - 蕎麦屋

 

 もう一つ、個人的に不安視しているのは「報酬キャラ」が欲しいのかという事。

 

 要するにモバマスなんかは「遊佐こずえ」ちゃんというある時期までモバマス付き合ってた人しか知らんけども、ニッチな人気出てたロリキャラが札束格ゲーという名のフェスイベントの「報酬」で出てた。

 こずえちゃんは元々コモンとして出ていて、彼女自身のキャラ自体が周到されていた。しかし完全な新キャラだとどうだろうか。必死こいてイベントとっても欲しいと思うのだろうか。

 向こうも最初の頃は「イヴ・サンタクロース」や「鷹富士茄子」のようなサンタ・新年キャラをイベント報酬オンリーで出してたけど、ただレアリティだけが先行して語られてた時期があったと思う。

 それから比較的手に入れやすい新SRカードが出て来て、周到されていった(まぁ艦これで言うと1枚だけでもドッグ全開放&所有数全開放分出来るくらいの値で取引されていたが)

 

 艦これの話に戻そう。

 「艦娘としての大和」が欲しくてイベントへ挑んでいたのか。

 あるいは「艦娘としての武蔵」でも「艦娘としての伊8」でもいい。

 

 先行配信だから欲しいのか。戦艦として欲しいのか。

 ただ「艦娘としてのキャラ性」は実際に手に入れなければわからないし、好きだから欲しいというわけでもない。

 

 ちなみにここらへん「一航戦、出ます」への愚痴というかある種の恐怖なんだが、このノベル最後に大和が知らん所で「封印が解ける」んだけども提督も赤城も加賀さんも長門ら他の艦娘も誰一人として「大和を助けたい」わけじゃなかった

 要するに大和という「キャラ」に対して誰も接点を持たなかった。

 加賀さんだって「良くも赤城さんやあの子達を見捨てて逃げましたね。頭にきました」とかいう怒りすら湧かない。好きの反対は嫌いじゃないんだ、無関心なんだ。

 

 「大和という艦娘」を助けようと誰もしていない構造に気付いた時、そこには「大和というキャラに興味が無い提督」の像が浮かんできて、正直怖かったです。 

 フォローしとくと、天龍田とか島風とかの描写は いいノベルなんですけどね。うん。

 

 ゲーム的に言うなら、例えば大和なり武蔵なりのキャラに惹かれて戦ったわけではない人はそれなり以上に居るわけで。

 使っていく内に好きになった人は居るだろうけども、報酬としてキャラ性が評価されてるわけではない。

 そういうジレンマみたいなものを感じる。

 

 ちなみにこれを付け加えるなら、今後ミッドウェー海戦を意識したイベントで仮に信濃さんや雲龍型空母が報酬としてあがった場合、信濃を助けたい・仲間にしたいという気持ちでイベントに臨めるのかという問題がある。

 天城だったらまぁ人によっては気持ち的にモチベが上がるのかもしれないが、それが雲龍型だったら……?というね

 特に赤城や加賀、最上型あたりにとっては失態もいい所でそれを塗り替える意図はあると思う。

 しかしもう「イベント報酬のため・救出作戦のため」の戦いではなくなってるのではないんだろうか。

 

 ミッドウェー乗り越えたところで君達どうするの?って事ですよね。

 

 ちなみにこっちの問題は大型建造の大鳳にも言える。

 性能的に欲しい人は居るだろうけど、赤城や加賀さんとのドリームコンビや瑞鶴翔鶴でのマリアナ新一航戦トリオを組みたいと思って大鳳を欲しがってる人はどれだけいるか。

 まぁここに居ます。ですが二次創作で「空母ファミリー」からハブられてる節のある大鳳を見るといまいち不安がある。

 

 ここらへん4コマの功罪もあるのではないかと勘繰っている。

 あれはいい漫画だけど、加賀が瑞鶴翔鶴に一航戦を渡す事に恐怖を感じるというネタがある。

 

 

f:id:homusora:20140225131644j:plain

 

 まぁ二航戦も大事にしてると考えると悪くはないのだが。

 しかし大鳳はまさに「新・一航戦」の産物で、そういう軸が無ければ彼女は居場所を失う。

 そういう状況で大鳳は赤城・加賀とも瑞鶴翔鶴とも絡み方が分からない人が多いのではないか。

 

 ぶっちゃけ、誰かもっと書きませんかね、大鳳と一航戦・五航戦の二次創作。

 「鶴翼の絆」の今後に大鳳が実装される事に期待はしていますが(1巻でも登場はしてなかったもののマリアナ意識してるせいか地の文ではちゃんと触れられてたし)

 

 

 まぁ大和や大鳳も戦闘力ばっかで他の艦娘と絡ませたいと思ってるわけではない人は多いと思う。

 その場合、更にイベントや大型は苦行になるのではないか。

 

 逆に話をしよう。大和の有用性とはなにか。

 大和があの戦闘力だけは高い中で、「お姫様」「大和撫子」というイメージで描かれたのは『ヒロイン』だからだと思う。

 本人もホテルである事を気にしてるようだし、燃費のせいで仲間を守れなかったというのは彼女自身が恐らく一番気に病んでいるのだろう。

 その上で南方棲戦姫との同一性も引き合いにされている。デザインは意図的に似せてるらしいし。

 

 だから勝手な予想をすると、アニメ化の終盤展開は南方棲戦姫がラスボスになって大和を救い出す展開になるんじゃないかと思っている。

 しかし大和を救い出したとしても戦いが終わるとも思えない。

 ゲーム的にはまだまだ続くんじゃよ状態だし、次のイベントのための終わりなき資源溜め。

 

 

 そこでケッコンカッコカリが「女の子を娶るゲームになってしまった」という批判が逆に意味を持ってくると思う。

 イベント以外の目標があの廃人レベリングかよって思わんでもないのだけども、結婚する事で戦いが終わった後も居場所が出来る……かもしれない感がある。

 

 バッドエンドで提督もケッコンした艦娘も沈んで仲良く深海棲艦になりそうとか言ったらあ艦これなのだが。

 

セラミックロケッツ!: 艦これのケッコンカッコカリで「変わった事」とは実際何だったのか

 

 こちらの記事とか恐らくわかっているのだ。

 「ケッコンカッコカリ」が「目的」になってしまったと。

 そしてイベントという目的がぶっちゃけ運ゲーの極みだからそれ以外の目的を探っていたらこうなってしまったと。

 

 むしろそれ以外の目標が無いのがネックなのだろうなと。

 イベントや大型以外の目標として出てきたのがケッコンカッコカリだった。

 そこへの戸惑いを覚えてる人も少なからずいると思う。

 

 

 でも「沖ノ島(2-4)突破」「大和救出」に並んで「ケッコンカッコカリ」も一つの区切り・ハッピーエンドではあると思うのですよね。

 死亡フラグとはいえ戦いが終わったら引退して平和に暮らそうっていうのは、一つの目的でもある。

 艦娘を一人の対象として見なきゃ、永遠に戦い続けなきゃいけなくなるし、その果ては深海棲艦に負けての「占領政策」か、あるいは深海棲艦になってしまうという事だと思う。

 むしろ兵器としての運命から脱却するためのケッコンカッコカリとして捉えると限界突破の解釈としても面白いのかもな。

 

 フェミニズム論は面倒くさいけど、まぁ戦前を意識した作品で何を今更ってのもある。

 

 

 まぁ、なんていうかケッコンカッコカリがあると加賀さんと翔鶴を引退させれるんじゃないかという気がしてるんですよね。赤城は鳳翔さんとこで置いてもらったりして。

 2人と重婚すると翔鶴さんが妾の子としていびられるイメージが湧きますが。

 そんで瑞鶴が一航戦継いだりすると萌えね? 雲龍型三姉妹に対して厳しくあたったり、加賀さんみたいな台詞吐いたりしてると萌えね?

 「鎧袖一触で決めたいよね!」とか言ってる新一航戦の瑞鶴とか萌えね?

 

 まぁ、「バッドエンドじゃない戦後ネタ」の補強として一つあると思うんですよね。

 沈まなくても戦況が落ち着けば引退出来るみたいな。

 

 ケッコンカッコカリはその台詞自体にも注目すべきだと思ってます。

 特に空母組の加賀さん・翔鶴・飛龍は己の幸福を追求するようになってるのとか結構好きです。