２月２３日、《蔦屋書店・代官山》イベントスペースにて行われた《『コーヒー おいしさの方程式』刊行記念トークイベント 〜コーヒーの香味を自由自在にコントロールする〜》に行って来ました！
●イベント情報・トーク内容について
- via：『コーヒー おいしさの方程式』刊行記念トークイベント コーヒーの香味を自由自在にコントロールする | 代官山DAIKANYAMA T-SITE -
「カフェ・バッハ」店主で「バッハコーヒーグループ」主宰の田口護氏と、科学者で人気ウェブサイト「百珈苑」を主催する旦部幸博氏が『コーヒー おいしさの方程式』を上梓しました。
田口氏の『田口護の珈琲大全』と『田口護のスペシャルティコーヒー大全』は国内外で大きな反響を呼びました。本作『コーヒー おいしさの方程式』はそのなかで紹介された実践的なコーヒー理論を、田口氏の経験と旦部氏の科学的知見によってより分かりやすく解説する、いわば「珈琲大全」シリーズの集大成で、実践に基づくデータと科学に基づく理論的裏付けの相互補完によってコーヒーのおいしさを探究する画期的な書籍です。
コーヒーのおいしさとは何か。
目指す香味を引き出すにはどうすればよいのか。
農園から始まって、精製、焙煎、抽出へと続く流れの中で生まれるコーヒーの味わいを、著者の二人がロジカルに解明していきます。
『コーヒー おいしさの方程式』著作者の１人、「カフェ・バッハ」田口さんの今までの代表的な本と云えばコレでしょう！
私もモチ、２冊とも持ってますよ！
珈琲好きは必読の本です!!
そしてもうお一方、旦部さんと云えばやはり……
百珈苑BLOG
かの有名なコーヒーBlog『百珈苑』の主催者さん！
そして、珈琲業界では読んでない人はいないのではないかと思われるくらい、非常に勉強になるサイトです。
そして更に、旦部さんのTwitterはもう、私も大好きで♥(*´Д｀)
Y Tambe (y_tambe)さん
もうですね、珈琲に対しての超辛辣・超毒舌なソレは、珈琲業界に生きていない者でも胸に突き刺さるような含蓄あるツイートです！
でもそれが良い！気持ち良い！（爆）
なので、旦部さんてどんな方なのかな……と、そこも楽しみにして今回のイベントは行きました(本の末尾に著者近影は載っているのですが、やはり写真だけでは分からないので)。
実際の旦部さんは非常に優しく穏やかで、そしてやはり人前での説明に慣れているのもあって非常に分かりやすいプレゼン資料、そして説明と、ますますファンになってしまいました(≧∇≦)♥
やはり頭の良い方は、難しい言葉をちゃんと誰にでも分かりやすく、優しい言葉に変換して説明してくれるので、そういうところも凄いなぁと思いながら聞き入ってました。
今回のイベントでは、その中から特に抽出の部分を中心にお二人にお話しいただきます。
- via：『コーヒー おいしさの方程式』刊行記念トークイベント コーヒーの香味を自由自在にコントロールする | 代官山DAIKANYAMA T-SITE -
司会は、コーヒーについての著作もあり、本作でも取材と文を担当された嶋中労さんです。
●ゲストプロフィール
田口 護（たぐち・まもる）
1938 年札幌生まれ。実家は道内でも有数のボイラー整備会社。６男３女の末子で、北海高校から國學院大学に学ぶ。いわゆる'60 年安保世代で、趣味はクラシック音楽の鑑賞と演奏。'72 年より自家焙煎を始め、巡ったコーヒー生産国は40 余国を数える。コーヒー業界一の理論家で、現在日本スペシャルティコーヒー協会（SCAJ）の会長。『田口護の珈琲大全』『田口護のスペシャルティコーヒー大全』など著書多数。
旦部幸博（たんべ・ゆきひろ）
1969 年長崎県生まれ。京都大学大学院薬学研究科修了後、博士課程在学中に滋賀医科大学助手へ。現在、同学内講師。研究室内の�爐�茶汲み係�瓩�きっかけでコーヒーの研究に憑かれ、コーヒー関連の文献を世界中から渉猟し、独自の理論も確立した。その成果は自ら主宰するウェブサイト「百珈苑」で一部が公開されている。
嶋中 労（しまなか・ろう）
埼玉県川越生まれ。本名小林充。慶應義塾大学文学部独文科を卒業後、出版社に勤務。月刊誌編集長、編集委員などを歴任する。現在、フリージャーナリスト。著書に『おやじの世直し』（ＮＨＫ出版）『おやじの品格』（グラフ社）『コーヒーに憑かれた男たち』（中公文庫）『コーヒーの鬼がゆく』（中央公論新社）『座右の山本夏彦』（中公新書ラクレ）、実名で『ぼくが料理人になったわけ』（中公文庫）『築地のしきたり』（ＮＨＫ出版）などがある。
今回のイベントで司会役も兼ねた嶋中さんも含め、このお三方のプロフィールを読んだだけでも、内容の濃さが分かるかと。
本当に楽しい、そして勉強になったイベントとなりました。
では、私がメモした内容から、当日の内容を少し書いていきます。
文章にすると長くなるので、箇条書きにしていきます。また、内容は前後します。
簡潔に分かりやすくするため、かなりの部分を私の言葉で書き換えていたり、説明を追加している箇所もあります。
間違っているところがあったら指摘お願いします！
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・《田口さん》この本を作るのに１７年掛かった。実際は４０年前から作りたかったものなので、今回上梓出来て本当に嬉しい。自分が４０年以上焙煎していてずっと疑問だったことが旦部さんのお陰で謎が解け、そして今までの知識・経験がすべてこの本でまとめられているので、今この本を手に入れられる若い人達は非常に幸せだと思う。この本を読めば焙煎で悩んでいる人の疑問などが解けると思う。
・今回、試飲用に３種類の珈琲を用意した。実際に参加者全員の方に飲んでもらって、その品種や精製の違いをぜひ感じ取って欲しい(豆はすべてカフェ・バッハ用意)。
A.ティピカ・ウォッシュト
B.ゲイシャ・ウォッシュト
C.ゲイシャ・ナチュラル
・３種類ともパナマ『ドン・パチ農園』の豆。乾燥方式はアフリカン・ベッド方式。
Don Pachi Eatate
donpachi-estate.com/Talkaboutspecialtycoffee.pdf
・『パナマ・ゲイシャの父』と呼ばれるのがこのドン・パチ農園のフランシスコ・セラシン氏（“ドン・パチ”というのはセラシン氏の愛称で、「ドン・フランシスコ」の略）
・３種類の豆の内、AとBは品種の違いを、BとCは精製の違いを感じ取って欲しい。
A〜わざとシルバースキン(チャフ)を残している。綺麗にしすぎない昔ながらの方法で。味わい豊かになる。
B〜豆のままの香りはブルーベリーに香りがした(なちこ主観)
C〜ナチュラル(果肉を付けたまま乾燥させる方式)特有の、牛肉のような匂いが強い(なちこ主観)
《実際に試飲》(すべて、なちこ主観)
［香り］
A〜ワラの香り
B〜完熟バナナ
C〜深甘い、牛肉の赤身の匂い
［飲んでみて］
A〜最初に酸味を感じるが、すぐにすっきりとした甘味に変わる。冷めてくるとダークチョコを感じる。
B〜まったりとした、ゆるやかな酸味。香りに反して甘味少ない。レモンと云うよりグレープフルーツのアルベド(白皮。皮の内側、果肉の周りを覆っている白いふわふわした部分)の味。ペリエなどの炭酸水を一気に飲んだ後の喉に残る酸味。
C〜枝付き干しぶどうの香り。深くて重い。
・ゲイシャのコーヒーチェリーは一般的な珈琲豆よりも細長くて大きい。また、煎り方は浅煎り〜中煎りが良い。
・ケニアの珈琲について〜《田口さん》「ケニアの珈琲はカシスの香りがする。中深煎り〜深煎りででこの香りがしてくる」
カシス(仏)、ブラックカラント(英)、クロスグリ(日)
《旦部さん》「実際にカシスの香りが中深煎り〜深煎りで出てくる」(本のP.162参照)
・『銘柄』よりは『焙煎度』
・珈琲を淹れる道具について
［ペーパードリップ］浅〜深煎りまで使える、オールマイティ
［ネルドリップ］［エスプレッソ］深煎りが多い(歴史的にはロブスタ種を使用・混ぜることが多い)
［フレンチプレス］90年代以降、スペシャルティコーヒーとともに欧米で人気となった。少し浅めが多い。
［サイフォン］最近リバイバルして来ている。少し浅めが多い。
・イベントで配布したフレーバーホイール図にも載っている、現在手に入りやすい、そして安心して口にすることの出来る代表的な香りとして５種類を参加者全員が試食。
○リンツ 70％カカオチョコ
○リンツ ミルクチョコ(フレーバーホイールでは“Swiss”としか書かれていない。日本人には馴染みがないが、スイスチョコ＝ミルクチョコのこと)
○クルミ
○ドライアプリコット
○ドライカシス
(その他、本当はいろいろなスパイス等の香りのものも用意して頂いていたが、時間がなくなってしまったため割愛となってしまった)
・コーヒーの香りは1,000種類くらいある(ワインよりも多い)
・「コーヒーの中に甘さの成分は入っていない」
・以下は参加者からの質問の回答
●(せっかくいろいろ考えて吟味・焙煎し、お客様に提供した)コーヒーに、ミルクや砂糖を入れられてしまうことに関してどう思いますか？
《田口さん》人それぞれで良いと思う。好みで。自由。「こうしたら邪道」とかいうのはない。国によってはその住環境によって砂糖を入れた方が喉に粘膜がかかって良いところもあるし、好きずきで良い。
●コーヒーに使う水はどんなのが良いですか？
《田口さん》安定しているのは自然水(大根を煮てみると分かる)。加工水はあまりよくない。水道水を浄水した方が美味しい気がする。一番やわらかくておいしい(田口さんの経験値として)。
酵素が高ければ高いほど、焙煎度が高い味になる(例えば、中深煎りだったものが深煎りになる)。
水に関しての研究はない(コーヒーは、紅茶ほど水の影響を受けない)。
硬度によっても違うし、沸騰すると硬度が変わる水もある。
(ちなみに、田口さんは違う浄水器で入れた水の違いがすべて分かるとのこと)
●手網焙煎で安定しない。
手網焙煎は不安定。揺れて当然。
部屋のドアが１枚開いてるか開いてないかだけでも変わってしまう。
１時間経ってもハゼない時もあるくらい。
手網焙煎の場合、精密さはハナから要求しない。それよりもその時その時の活かし方を考える。見ていく。
「結果がどうなるかを愉しむ」
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……と、いかがでしたでしょうか？
これでも一部ですので、どれだけ内容が濃かったのかお分かり頂けるかと思います。メモるのも必死でした(^_^;A
(撮影・録音禁止のイベントだったので)
当日、参加したくても出来なかった方のお役に立てればと思います。
ちなみに、参加者は50人満員御礼で、座るのもキツキツなくらい大盛況のイベントでした。
またこういうイベントがあったら参加したいです！
田口さん、旦部さん、嶋中さん、そしてイベントを開催して頂いた蔦屋さん、本当にどうもありがとうございました！(≧∇≦)
【蛇足】
実は、代官山の蔦屋書店は初めて行きました！
めっちゃオシャレで非常に混んでおり、ここがとても本屋さんとは思えないほどの賑わいぶりでした。
また、その展示の仕方なども海外の本屋さんもしくは図書館のようで、本好きにはたまらない場所でした。
ここに住みたい♥(笑)
そして、この蔦屋書店の道反対には、私にとっては懐かしのデンマーク大使館があります♥♥♥
(２〜３回しか入ったことがないけど……w)
そして、蔦屋書店２階にはラウンジバー『Anjin』もあります。
すご〜っく素敵な空間で、ゆったりと過ごすには最適な場所です。
私もイベントが始まる前まで、ここで時間をつぶしてました。
少々お高いのが難ですがw
今回の話とは全く関係ないのですが、渋谷駅を通りがかったら、美しい天野喜孝さんの絵がたくさん！
ヽ(*´∀｀)ノ ｷｬｯﾎｰｲ!!(笑)
美しすぎてうっとりしました……(人´∀｀)．☆．。．:*･ﾟ
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