『対日本将棋連盟等との事実関係について』
『対日本将棋連盟等との事実関係について』
公益社団法人 日本女子プロ将棋協会(LPSA)
平素より、当協会公式ホームページをご覧頂きまして誠にありがとうございます。
本日2月25日(火)の当協会定時総会をもちまして私ども現執行部は任期満了に伴い退任致します。日頃からの協会運営につきましては、これまで本当に多くの皆様にご支援とお力添えを賜りましたこと、改めて深く御礼申し上げます。
退任にあたり、これまでお伝えしきれずにいて誤解を招いている部分や、事実が事実として伝わっていないことを、すべて事実に基づきご説明させていただきます。
かねてから将棋ファンの皆様をはじめ、ご関係の皆様には公益社団法人日本将棋連盟(以下、将棋連盟とします)との関係性について、ご迷惑をおかけするとともにご心配いただき、同時によく「将棋連盟とはもう少し話し合って」や「もう少しうまくできないものか」というようなことを仰られます。
しかしながら結論から申し上げて、将棋連盟という組織は様々な問題があり、特に・道理が通じない、・発言が信用できない、という重大な欠点があると言わざるを得ません。このような組織と「まともなつきあい」(合理的な関係)など想定し難いところは社会的通念としてご理解いただきたいところでございます。
しかも当協会は設立当初の2007年より現在に至るまで、将棋連盟より組織的な排他的威力業務妨害・公益事業妨害・違法が疑われるような行為・嫌がらせなどを継続して受けており、一方的な被害者的立場であります。以下に具体的事例を述べさせていただきます。
1,LPSAより男性プロ棋士に対して個別に大盤解説や教室講師などを出演依頼し、本人は内諾したものを、電話や本人を理事室に呼び出すなどして威圧し、プロ棋士本人の個人事業にも関わらず業務妨害して断らせる。
→理事会の圧力により出演を辞退した棋士 渡辺明竜王・森下卓九段・藤井猛九段・木村一基八段・鈴木大介八段・先崎学八段・行方尚史八段・阿久津主税六段・村山慈明五段・村中秀史五段・戸辺誠五段・広瀬章人五段・瀬川晶司四段ほか多数。(段位肩書は当時)
これは実際にプロ棋士本人から「一度OKで受けたのだが、その後ストップがかかったから」「悪いけど理事から注意されたため行けない」などの証言あり。程度の違いもあるが、当協会製作物である『日めくり詰め将棋カレンダー』への任意問題投稿への投稿辞退も含めれば大小数十件の事例があった。
2,当協会主要スポンサーである上場企業に対して、お客様相談室などに「なぜLPSAのようなところに支援するのか」などといった害悪の告知と誹謗中傷通報行為を行い、当該スポンサーを事実上の撤退に追い込んだ。本件については当該スポンサー関係の役員氏より「こういった行為が幾度と無くあり、おそらくは将棋連盟と関係するに思しき者と推察されるが、不特定多数の消費者を相手に事業展開している上、問題には関わりたくないので残念ながらスポンサー支援を休止するに至った。」との説明があった。2013年の事象。
2-2,また、過去には当協会主要スポンサーの社長を(故)米長邦雄会長(当時)が将棋連盟に呼び出し、LPSAについて事実無根の誹謗中傷をし、LPSAのスポンサーを降りるように説得工作をした。←2012年11月22日(金)13:30など。
3,当協会の大泉紘一顧問(元監事)が、LPSA関係者という事由により一方的に将棋連盟普及指導員の資格を剥奪された(2009年3月16日付書面にて通告される)。詳しくは西村一義専務理事(当時)から大泉氏への直接説明によれば「女流棋士が連盟とLPSAに分かれている事態は不幸である。この事態に至らしめた責任が一番重いのは(新法人設立準備委員会時代より関与している)大泉氏である。資格取り消し理由は口頭でしか言えないが、事情を連盟・協会に問題がかぶらないように説明を行うのは大泉氏の責務である。連盟に挑戦的な団体に属しながら連盟の指導員でいるのはおかしい。LPSAがしかるべき処遇を考えるべきである。連盟と協会の間柄が良好になったら、また迎える」であったとのこと。以下、大泉氏の報告書参照。
3-2,また、当協会元客員アドバイザーの古作登氏が内定していたNHKの仕事に対して、NHK将棋担当サイドにLPSA関係者という事由により、古作氏を採用しないように圧力をかける。その内容は「もしそのまま古作氏を使うなら、連盟渉外サイドとしてNHK杯選手権戦を開催させない」というものだった(2011年1月~3月の事象)。
3-3,また、当協会ネット中継担当者、松本博文氏(青葉記者)への毎日新聞社名人戦順位戦ネット中継業務委託契約妨害事件があった。第67期A級順位戦最終局一斉対局の当日朝、連盟4階でネット中継の準備をしていた松本氏は西村専務理事(当時)の指示の下、田中寅彦常務理事(当時)と連盟職員により腕を捕まれ、そのまま強制的に排除され、将棋会館への一方的な出入り禁止を言い渡された。←いわゆる松本事件
4,2010年9月20日にLPSA将棋ツアー2010in名古屋を、地元中京地区のアマチュア将棋愛好家の方々にお手伝いいただいて電気文化会館にて開催した翌2011年夏頃から、将棋連盟はこれまで地元開催においてご尽力いただいていた中京棋界および中京アマチュア将棋界に圧力をかけ、LPSAが中京地区でイベントや将棋大会を開催する際に手伝いや参加を控えるよう通達し、結果として中京地区での大会開催が極めて難しい状況となった。この件は複数の中京棋界関係者より「詳しくは言えないが、連盟から連絡があったため・・・察してほしい」との証言あり。
4-2,次のような事象もあった。青森県将棋連盟主催将棋大会内にて、先方了解済みの上でLPSA女子アマ王位戦東北予選を開催するに至ったところ、西村一義総務補佐(当時)より青森県連の代表者に直接圧力をかけ、「LPSAのアマ大会を行い手伝う、もしくはLPSAの人員を青森に呼んだ際には、将棋連盟として青森県将棋連盟および支部から除名する」と通告し、女子アマ王位東北大会など協力させないようにした。しかしこれは青森県連代表者の毅然とした対応により、西村氏の目論見は不発に終わった。(2012年4月頃)
4-3,また、2009年9月6日の愛媛県松山での将棋イベントに、地元主催者が将棋連盟所属・安食総子女流初段とLPSA所属・鹿野圭生女流初段(当時)と船戸陽子女流二段を呼ぼうとしたところ、安食女流初段および師匠の青野照市九段から、「LPSAの女流棋士とは交流できない。将棋イベントで一緒に呼ばれるのは困る」とプログラム変更の申し入れがあった。このように、連盟女流棋士とLPSA女流棋士は、対局を除く公式的な場面では交流を禁じると、将棋連盟は勝手に各所に通達し、連盟所属女流棋士個人にもそのように言い聞かせていたものである。
5,上記4-3で述べた女流棋士交流と関わる事象として、過去2009年10月1日に連盟渉外部-LPSA渉外部間で締結した、合意書には第4条『対局に関する事』の2号にて『連盟所属棋士と協会所属棋士との対局を協会が設営した会場で行う場合は、主催者・連盟・協会の三者で協議と了承の上行う。その際協会は対局通知作成要請・公式記録処理・記録係手配 `事前連絡および結果報告などの事項に、対局履行の責任を持つ』と明記されていたが、当協会が2010年10月に本部事務所ならびに対局室・将棋サロンを北区から港区に移転する際に、西村専務理事(当時)は庄田理事と石橋を事前に将棋連盟に呼び出し(2010年8月18日14:00~15:15)、「将棋連盟としては、LPSAが新しい場所でどんな素晴らしい対局場や施設を整えても、連盟所属女流棋士がLPSAの女流棋士や関係者を恐いと言っている以上、保護する義務があるため、組織としてLPSAの対局場には行かせることはない。棋士や女流棋士を田町駅で降ろすこともさせない。」とこちらの言い分は寸分も聞かずに言い、それまで<公式戦対局に関しては、事前に連絡の上、上位者側の対局者の所属した団体が用意した対局場にて行う>と融和的に履行されてきた事実を一方的に覆した。(以下に合意書の抜粋を添付。金銭的等問題のある箇所は削除)
なお、本合意書は2013年9月末日をもって更新せずに、合意破棄となっている。
6,これは皆様すでに御存知のことと思うが、2008年2月11日の第34期女流名人位戦第2局・倉敷イベントにて、中井広恵女流六段(在籍当時)・中倉宏美女流二段・島井咲緒里女流二段の3名が、また、2009年1月20日の第2回朝日杯決勝・準決勝大盤解説会での聞き手予定の船戸女流二段が、どちらも主催新聞社サイドから仕事の依頼を受けていたにも関わらず、将棋連盟の横槍によって個人事業妨害をされた件。この件にとどまらずこれらに類似したケースは枚挙に暇ないが、この詳細については青野照市常務理事(当時・現専務理事)からの弁を含め後述する。
7,将棋連盟の女流棋士ファンクラブ「駒桜」が出来てから、将棋連盟理事および所属女流棋士の一部の人員は、駒桜とLPSA公式ファンクラブMinerva、その両方の会員となった一般のファンクラブ会員に対して、「LPSAファンクラブを退会しないと、駒桜イベントには参加できない場合もある」などと威圧し、Minervaの退会誘導ならびに入会妨害活動を行った。(実際に一般ファンからの証言あり)
7-2,また、同時に「LPSAには寄付しても無駄だから寄付しないように」などともあちこちの支部や普及会合などの場面で、口頭説明および書面配布など営業妨害と見受けられる行為を行った。
8,指導棋士初段(当時)の山本大輔氏は、高柳敏夫名誉九段一門で石橋と旧知の縁から、2012年過ぎよりLPSA大人のための将棋塾にて時折、臨時講師としてレッスンを受け持っていた。LPSAも当然ながら講師手当てを支払っていた。その点において紛れも無く外部講師への業務委託契約が成り立っていたものであるが、山本氏が指導棋士登録をする際に身元引受人として田中寅彦九段(専務理事・当時)が師匠登録をしていたことから、田中専務理事は山本氏に対して「今後LPSAおよび石橋と関わったら、(本人の)大輔のみならず弟の(山本)正樹(指導棋士初段)も指導棋士の段位を取り消し、兄弟で運営している都内の将棋教室も継続できなくさせるぞ。」と電話で威圧した。これにより、山本氏はLPSAとの業務委託契約を解消せざるを得なくなった。後に「このことは石橋に言うんじゃないぞ。」と大輔氏に田中専務理事よりメールがきたとの報告があったことで事態が発覚した。
9,LPSAの全国女性アマ対象棋戦、女子アマ王位戦は2014年現在、第6回を数えるものである。これは大会創設時に女流王位戦の主催社である新聞三社連合の当時の代表責任者であるK局長に事前了解を得たのちに、正式名称として決定したものである。しかし、将棋連盟は過去数回に渡り、その名称にクレームを付け、三社連合に対して圧力をかけて、同アマチュア女性大会をなくそうとした。ちょうどK前局長から現在のW局長に代わった頃であった。
10,最後に藤森事件について。これは2011年度第49回奨励会三段リーグが9月10日に最終日となり、当協会所属女流棋士藤森奈津子女流四段のご子息である藤森哲也三段(当時)が12勝6敗でリーグ2位となり四段昇段を果たした3日後、9月14日に起こりました。将棋連盟理事会からの呼び出しを受けた、藤森女流四段と、哲也新四段は哲也新四段の師匠である塚田泰明九段を伴って、連盟理事室に赴いたところ、理事室で米長会長(当時)と西村総務補佐(当時)、中川大輔理事、連盟職員という計7名同席のもと、驚愕せざる得ない事柄を告げられた。それは、「今度、新四段になったご息子とお母さんは所属する会社が違う。このままいくとご子息は連盟内において極めて良くない立場(四段にはなれるが正会員資格を与えるかどうかは理事会で審議せざるを得ない)になるかも知れない為、藤森女流四段が所属するLPSAの石橋代表にこれまでのことを連盟に対して謝罪させられれば不問とする。」というものだった。藤森女流四段がその申し出を拒否すると次は、「では、藤森女流四段がLPSAを退会するか、哲也新四段がLPSA所属となるか、藤森女流四段と哲也四段が親子の縁を切るか。そのどれかを判断してもらわなくては、哲也新四段の前途は多難なことになる。」と脅し、師匠の塚田九段が「これは哲也新四段のことで、LPSAもお母さん(藤森女流四段)も関係ないのでは?」と助け舟を出すと、「くれぐれもLPSAの錦織弁護士など、外部の余計な人には相談するな!」と付け加えて話は終わったとのこと。後日この話を週刊誌が紙面掲載すると、その情報源があたかも藤森女流四段サイドであるかのように、独善の解釈で2回に渡り、藤森女流四段を内容証明郵便書簡等にて呼びつけようとした。以下の添付書面参照。なお、本件については青野照市常務理事(当時・現専務理事)からの弁を含め後述追記する。
まだまだ、ここに書ききれないほどの事例はたくさんありますが、今回はここまでとしておきます。これだけの事象を振り返っても、いかに将棋連盟から一方的被害を被っていたか一端を垣間見ていただけるものではないでしょうか。
さて、前置きが長くなりましたがここから本題に参ります。
本題と申しますのは、昨年来よりお騒がせしております、【当協会新人女流棋士に係る取扱いにおいての第6期マイナビ女子オープン契約解除並びに準決勝対局辞退】でございます。
本件の概要説明と内容につきましては、過去のリンクより2013年1月29日の記者会見動画ならびに、2013年1月26日付当協会書面にてご確認いただければと思いますので、この場では割愛させていただきます。
今回、詳細をお知らせさせていただきますのは、契約解除に至るまでの経緯と、その後当協会が2013年6月19日付にて公開した「株式会社マイナビ様への謝罪」を発表せざるを得なかった背景をご説明申し上げます。
ご存知の通り、2012年7月1日付で当協会は内閣府より公益社団法人の認定を受けました。その公益移行に伴い、内閣府より公益法人として独自規程を設ける必要性を求められたこともあり、法人専権事項としてLPSA初の新人女流棋士を誕生させるに至りました。
この間、公益法人認定取得に関してはその進捗状況をできうる限り秘密事項としておりました。と、申しますのも今だから明かすことが出来ますが、将棋連盟米長会長は生前、度重ねて「LPSAの公益法人は個人としても連盟としても絶対にあの手この手を使って阻止する!」と公言されていたことも大きく影響しております。
A,それらLPSAを取り巻く環境を三者契約主体のメインスポンサーである株式会社マイナビはどのように見受けて判断されるものかと、ご意見伺いたく2012年7月16日に次のメールを、株式会社マイナビ社長室広報部 鳴海雅子部長に送付いたしました。
このメールに対して鳴海部長より翌7月17日に以下の返信をいただきました。
という訳で、当協会の意図するところはあまりよく伝わらなかったようでした。
その後の連盟とのやり取りも合意に至ることなく、2012年の年末を迎えた12月、
一定の回答をするところとなり、以下のご連絡を致しました。折り返し頂いた返信と併せてご確認ください。
当協会としましては、今後の三者契約と三者協議に際して、着地点を模索しておりましたが、自主運営育成期間での規定以外、将棋連盟としては連盟が関わる棋戦への新人女流棋士参加は認められないという状況で、果たしてどうしたものかと検討していた、暮れも差し迫った2012年12月28日にマイナビ女子オープン運営本部の、株式会社マイナビ社長室イベント運営部より、「次期以降に関し、貴協会、日本将棋連盟の双方から「同意にいたらなかった」という回答を得ました。これを受け、社内にて検討しております。現在の考えている以下、2つの方向性のみ連絡をします。
【1】トーナメントの開催を止める 【2】トーナメントの開催を継続する
【1】の場合は言葉の通りとなります。【2】の開催継続を前提とする場合の、今後の方向性に関しましては大会運営能力、大会内容の質、過去実績、貢献度などを踏まえ
弊社と日本将棋連盟の2社間で実施していくのが現実的かと思っております。」という連絡がありました。
その後、年明け早々に株式会社マイナビとはやり取りと、会談の場を設けるに至りましたが、マイナビの意向は強く、事態はどんどんマイナビと連盟の二者契約の方向へと進んでいきました。それは即ち、現状の三者契約から過失や損失なく一方的に契約外しへと舵を切られてしまったという訳でした。
その事実が決定的となったのは、準決勝対局を10日後に控えた2013年1月21日(月)、次のメールのやり取りによるところでした。
以上のメールやり取りが、契約解除に至る前の経過でした。この状況を冷静に踏まえると株式会社マイナビと将棋連盟の、新人女流棋士の取り扱いを副題とした、当協会への三者契約外しであると考えるに至り、当協会としても何らかの具体策を講じることと致しました。それがあの契約解除と準決勝対局辞退へとなった訳です。
もちろんこの対応を取ることは、協会にとって苦渋の決断でした。しかしながら歴然とした契約違反という事実があり、『第6期マイナビ女子オープン契約書第4条第1項に乙又は丙に所属する現役女流棋士』と定められた内容と明らかに違う対処となってしまっている以上、このような状況(今のように悪質な妨害行為により出場停止などにされること)はある程度想定した上で、覚悟をもって行動に移しました。ただ、その後の展開と状況は予想以上にひどいものでしたが。
B,2013年2月には19日に谷川浩司会長との会談が持たれました。将棋連盟が谷川会長と田中寅彦専務理事。LPSAから石橋と庄田理事が出席し、あとは両団体の職員が立ち会うという状況でした。めったに谷川会長と話しをできる機会などありませんから
私はこの会談の席上でしか聞けない、気になっていた質問をお聞きすることにしました。
それは「新谷川会長体制になって、正直女流棋界のことはどう運営していくのか。うち(LPSA)とのことは過去に嫌がらせや妨害をしたほうとされたほうであっても、今後どのように団体間でのお付き合いをしていくのか。以前の米長体制と連盟は変わるのか。」ということでした。ですが、谷川会長のお答えは「わからない」ということでした。「会長になったばかりで、女流棋界がどうだったのか、そちらに対して何があったか無かったか、わからないので何とも・・・。今は以前からの体制を踏襲していくとしか言えない」というものでした。私としては「以前のことは以前のこととしても、自分が会長の上、新体制になったからにはLPSAに対して嫌がらせや妨害行為はしない。」という回答を期待していたのですが。大変、残念でした。
また、この階段直前の2月16日付で出された谷川文書には条件①で「マイナビに謝罪し、マイナビから容赦してもらうこと。」とありましたが、これを谷川会長に「つまりこれはマイナビが容赦しないと連盟も容赦しない。マイナビ=連盟ということですか。であるならば、1月21日のマイナビから通告のあった、次は連盟とマイナビの二者契約にするという話も、連盟が共通の認識という理解でよろしいですか。」とお訊ねしたところ、谷川会長は「そうだ」というように頷きかけましたが、横から渉外担当の田中専務理事が慌てて、「マイナビと連盟は一緒ではない。あれは(文章の)表現がおかしかった。マイナビがLPSAに対し二者契約を通告したもの知らない。連盟はマイナビが事前に一切の連絡や相談も受けていない。」ということで打ち消されました。
しかしながら、結果、谷川会長との会談ではなんの進展も得られませんでした。
C,2013年2月末~3月には将棋連盟渉外部から女流棋士個人の自宅宛に、対局意思確認書なるものが郵送されて来ました。(添付画像)
この<注意事項>部分に記載の「この対局意思確認書は女流棋戦主催・協賛各社から対局放棄・不戦敗再発防止の要望を受けて」というところが引っかかったため、即座に女流棋戦主催各社に連絡を入れてみると、「連盟が対局意思確認書を送ったりしているのは知らない。我々は一切関知しないことだ。」とのことでした。
少し様子をみておりましたら、3月1日(A級順位戦最終日)に、以下の修正メールが配信されることとなりました。なお、当協会は対局放棄ではないため、これらの文書には一切返信対応しておりません。
C-2,またこの頃には時期同じくして、新聞三社連合の王位戦・女流王位戦担当者である藤本裕行氏から、当協会所属女流棋士の個人メール宛に、LPSA理事会および私個人の誹謗中傷や、現状を歪曲して悪い印象を与えかねない害悪の告知メールがたびたび来るようになりました。受けた女流棋士は怖いといっている時もあり、相談を受けました。以下のところです。
ですがこれらの内容について思わぬところから情報が入ってきました。
LPSA応援者のお一人である上智大学法学部教授の出口耕自先生のもとを、田中専務理事と北島理事(当時)がアドバイスを求めに訪れた際に、田中専務理事が、藤本氏との関係性のことを一瞬うっかり口走ったそうですから、将棋連盟の差配で害悪の告知を言わせていたことは明白と判断せざるを得ません。
D,4月に入り、将棋界の新年度早々、第35期霧島酒造杯女流王将戦から出場を排除されたことを受けて、4月12日、東京地裁に被保全権利の仮処分申し立てをしました。これは主にそこで裁判的決着を目指すものではなく、代理人を介して和解に向けた協議ができるものかと思慮したところでしたが、残念ながら不調に終わりました。
D-2,この頃将棋連盟内では、6月の役員任期に伴う改選にむけた動きが活発化してきており、青野照市九段(現専務理事)から連絡が来ました。
5月22日(水)10:00~会って話をしました。その時の青野九段の話では「これは法律の問題ではなく商取引の問題だよ。マイナビは怒っているが、自分だったらもっと上手くやれた。マイナビは連盟に対してLPSAとは縁を切ってくれと行ってきている状況。今度、理事にはなるけど今はまだ一棋士の立場だから何言っても構わない。石橋が代表理事を辞めれば収まる。」ということだったので、この日は意向だけを聞いて終えました。
なんでも、この時期に行われた第54期王位戦挑戦者決定戦の対局中、舞台裏で次期渉外担当理事に内定していた青野九段と、新聞三社連合事務局局長・渡辺伸寿氏の間で話がまとまったらしく、5月31日(金)には渡辺局長と極秘会談することになりました。要するに三社連合・渡辺局長が仲介役として、連盟とマイナビへの連絡調整役をしてくださることになった訳です。
しかしながら、どれも非公式折衝の上、外部理事など他の人は連れて来てはいけない、女流棋士には情報が洩れるから言ってはいけない、などなど制約が多くとても厳しい状況の中での判断でありました。
E,6月4日(火)13:30より、日比谷中日ビル1Fレストラン個室にて、渡辺局長・青野九段・石橋の非公式三者合意会談が行われました。
結論からして、
☆LPSAは、①ホームページに掲載しているマイナビ女子オープン契約解除関連の書面を削除するとともに、謝罪文を掲載すること。後日改めてマイナビに謝罪訪問すること。
☆将棋連盟は、②LPSA新人女流棋士の渡部愛について、主催新聞社の推薦を黙認し妨げない。(事実上、女流棋士として認める)
☆三社連合は、③来る第25期女流王位戦の契約をこれまで通り三者契約にて行い、渡部愛を主催者推薦で出場を認めるものとする。なおその際に石橋女流四段個人は出場を辞退する。
☆将棋連盟とLPSAは、④新人女流棋士の取り扱いについて解決に向けて協議を始めること。
という4つの合意事項がまとまりました。直後の確認メールと、それに対する返信です。
その後、6月7日に青野九段が正式に理事選任されることを待って、最終6月10日(月)、新聞三社連合事務局会議室にて、新聞三社連合事務局より渡辺局長・北里編集部長・藤本担当者立ち会いのもと、将棋連盟より青野専務理事・島朗常務理事、LPSAより石橋で先般の合意事項を最終確認しました。
その際、互いに交わした書面は次のとおり。
かくして、当協会はマイナビ謝罪に向けて動きはじめたのです。
この非公式折衝が進行している裏では、渡部愛親子に対する裏工作も進行しており、内部外部問わずの将棋関係者からの、LPSAの害悪を告知に、渡部親子も精神的にも焦り追い詰められていたため、6月中に公式戦出場の目処が立たないようなら、LPSAを退会して将棋連盟の研修会に入ると、渡部親子から宣言を受けていたこともあり、正直疲弊していた協会として、少しでも早く話をまとめようとしたことが、悲劇を招いたことに繋がるかもしれません。
株式会社マイナビ様への謝罪掲載文(現在は削除)は、6月19日(水)22:00にホームページにアップしましたが、あの掲載文の内容は当協会の組織としても、個人としても本意でなく、以下にお知らせするように、マイナビの意向を仲介連絡役である、渡辺局長の解釈と指導を踏まえて、作成された文章でございました。
この6月20日のマイナビ満足の一報を受けて、その後改めて6月27日(木)14:30にマイナビ社に謝罪訪問に伺いました。(マイナビ社は土井社長室長・鳴海部長はじめ4名がご対応くださり、LPSAは石橋と庄田理事。他に青野専務理事が立ち会い。)
その席上、マイナビ土井室長からは「今後LPSAとは関わらない」ということでしたので、当協会も了承しました。ただし、これはあくまでも組織としてということであって所属女流棋士がマイナビ女子オープンへの出場エントリーを希望する場合は、その際限を設けないところであります。(実際に出場できるかは別としまして)
しかしながら、一回、契約違反として主義を通したものを、それを取り下げて謝罪するという行為は、当協会の信用をそこはかとなく失墜させました。
これがLPSAとして、一番の誤ちであったと、その責任を痛感しております。
F,それでも、合意事項の4番目、将棋連盟との「新人女流棋士の取り扱いについては解決に向けて協議を始める」が誠実に履行されていればまだしも、これほどまでの打撃はなかったことでしょう。将棋連盟から素案として出てきた、新人女流棋士仮入会規程に当協会の意見と修正案を加えた途端、青野専務理事・島常務理事からの書面には、「LPSAの意見を求めた訳ではない」との翻意により、あっさりと協議は打ち切られました。
これでは何のことに関しても、話し合い、協議になりません。いつもやられていることとはいえ、「またか・・・」と今回も天を見上げることとなった訳です。
G,それでも何らかの突破口を模索すべく、話し合いの糸口を見つけなくてはなりません。個人的アポイントを取ってみましたら、なんとか話し合いの場が作られることとなりました。
8月21日(水)に行われた会談では、驚愕の出来事として、青野専務理事が将棋連盟がLPSAに対して行った、妨害行為や嫌がらせを一部認めたのです。それが、本説明文の序盤部分に出てきた、女流名人位戦倉敷イベントの件と、船戸女流二段朝日杯聞き手の件と、藤森親子事件でした。
8月21日、当日の発言録を詳細に残しておりますので、今回は全て公開したいと思います。以下を御覧ください。
とても長くなってしまいましたが、これでもほんの一部の公開にしか過ぎません。
思い返してみれば、2006年に米長会長から独立を促され、制度委員会?設立準備委員会の間は、新法人を設立するまでの我慢と思って辛抱しました。
まさか一般的には別会社、別法人を作ってもなおこんなにも嫌がらせや妨害行為があるとは思ってもみなかった。いったい何がそんなに嫌なのか。なぜ、取るに足らないLPSAをそこまで執拗に気にするのか。勝手に思い悩んだ時期もありました。
たしかに既存のスポンサー様をはじめ、将棋連盟には育ててもらった恩義も、常にお世話になっているという感謝の気持ちも欠かすことなくあります。
ただ、だからといって別の法人を作って独立した私たちを不当に不公正な取引をし、妨害し、ときには害悪の告知をして良い訳ではないとも思います。
逆に私どもの個人や法人が連盟に対して、いままで一度たりとも損害を与えた事はない。と、これは胸を張って自負しております。できうる限り、すべて将棋連盟の損益に関わらないように気をつかって進めてきたつもりです。
代表自身、21年前に将棋が好きで好きでたまらなかった時代に、女流プロを志し、夢と憧れを持って足を踏み入れたこの世界をこのような形で去らなくてはならないことは、無念との言葉だけでは言い尽くせない心の奥底からくる苦しみと絶望を感じております。なぜこうなってしまったのか。もちろんこちらに非がないとは思いません。
ただ、当協会の運営は、社会常識的にいかがかと思われる女流棋士を、外部理事はじめ応援者支援者の皆様に適切に支えていただいて成り立ってきたことは率直に認めざるを得ません。
錦織名誉理事長と庄田理事をはじめ、当協会に関わってくださった一般社会人の皆様はこの世界の特異性、特殊な世界だからこその一般社会とはかけ離れた部分を十分に理解して、できうる限りその場の状況や将棋界の風潮に合わせてきてくださいました。それでもそのあまりにもムラ社会的発想からくる優越的地位の濫用。あまりに不条理な言動と、違法に当たるような行為には毅然として立ち向かうしか当協会を維持する手立てはありませんでした。本当に手をこまねいていたら潰されてしまう時は多々ありました。
代表自身、将棋のプロの先生にはたくさんの技術や心構えなど教わってきて、誰もが個々の付き合いとしてはいい人も多いのですが、組織としての将棋連盟としてはとたんにまともに機能しなくなるといっても過言でないと思います。ほとんどがうわさと憶測だけの世界。棋士は将棋が強い、アマチュアより将棋に関しての知識が多い。誰にも負けないくらい将棋にだけは時間かけて命かけて誇りをもってやってきている。そのどれもがとても尊敬すべき素晴らしいことですが、ともすればそれを“偉い”と勘違いされてしまう方もいらっしゃいます。それと同時にどこからくるのか女性蔑視・女流棋士への見下した扱い等が端々に出て、これは、代表の勝手な感想ではありますが、2月の谷川会長との対談にしても、スーパーエリート棋士として歩んでこられた谷川先生が、一介の女流棋士に物申されるということは、おそらく未経験だったため、お気を悪くされたことがあったのではないかと推察しております。
でもこの状況は、将棋連盟や棋士だけが創りあげてきた産物とは思いません。
今回一連のマイナビ事象に関しても、契約状況がどうであったとか、三者契約の意味ということには一切触れることなく、代表の対局拒否だけにスポットが当たるような報道をした、将棋担当の各新聞社文化部も、新聞および通信社の公的役割と、そのジャーナリズム精神を忘れたかのように、将棋連盟に対する批判記事はほとんど見受けられませんでした。この将棋連盟?文化部の癒着体質が変わっていかない限り、この世界は斜陽産業であると同時に、健全に変わっていくことはないのではないだろうかと、席を置いていた者として悲しく思います。
いきなり、仲良くはいかなくとも、ただ何もしないで欲しかった。私達のちっぽけな事業を、子どもたちや女性に将棋を覚えてもらう公益事業を、妨害したり邪魔したりだけしないで欲しかったことがずっと願っていたことでした。
最後に、LPSAについて。私は昨年から、「中途で投げ出すことは出来ないから、苦しくなろうとも理事は続ける。次期も理事をやる!」と内部で公言しておりました。
しかし、他会員のみなさん、彼女達の話を聞いてみると「ファンの皆様からいまの状況を危惧されている。LPSAの印象が良くない。体制を変えて、こちらが謝るべきところは謝り、下手に出て融和的に協議や協力体制を求めたい。そのためにも石橋・庄田・錦織の各氏は謝罪しないだろうから、現体制全員再任することなく、新任のみで新体制を構築したい」というものでした。おっしゃることはよくわかります。いまLPSAに風当たりが強く、必ずしも印象が良くないことも承知しています。
しかし、苦しいときこそ我慢と辛抱を重ね、ただ前だけを向いてコツコツと自分たちの身の丈にあったことだけをやっていればいいと思うのです。女流棋士には女流棋士のすべきこと、女流棋士にしか出来ない公益的事業があるのですから。
仮にも協会会員は将棋のプロです。私達プロ棋士は子ども達に、将棋という文化を「相手の立場になって考え、一手ずつ交互にルールを守って指して、礼に始まり礼に終わる」と日頃から教えています。その上で、盤上を離れたらすぐ隣では、法律無視・ルール度外視しのことをやっていたらどうでしょう。日本の伝統文化として、公益法人として正しい姿勢を示していると言えるのでしょうか。小さいころから育ってきた大好きな将棋界だからこそ、オール将棋界として一部の悪しき部分は是正してより魅力ある世界にしていかなくてはと思い、自分自身は協会運営に当たる際、個人の立場や感傷は捨てて、ただ組織にとってなにがいいかだけを考えてきたつもりです。
なにしろ、当協会はその人数や規模の小ささから、将棋連盟が必要とする営業利益の10分の1、いや100分の1でも運営していくことはできるのですから。
次の役員体制がどうなるかは明日の総会報告を見ていただければと存じますが、
今現在、LPSAに残っている女流棋士諸氏から出ている考えは以下の通りです。
・クリーンなイメージを取り戻すため、現体制には総退陣してもらい新体制で立て直しを図りたい。
・その新体制で、まずは将棋連盟やスポンサー関係にお詫びするところから始め、関係改善に務める。
・「自分達がやりたいことが出来る」協会を目指す。
・会員同士お互いを尊重し、協力しあえる環境
・収益をあげて会員に還元する。
・女流棋士が安心して対局でき、安心して応援していただけるような協会
・女流棋士個々がやりたいこと、実現させたいことに力を注げるようにし、頑張れば頑張った分だけメリットが返ってくるようにする。
・LPSA新人女流棋士を誕生させるため、受け入れ体制と環境を整えたい。一例としては将棋連盟の研修会に通わずに、研修会を棋力認定試験の場として利用できるよう交渉する。(C1基準が温ければ厳しくしてもらっても良いなど)
・・・これからLPSAに残る女流棋士達は、新体制の元、新たなる道を歩き始めるのでしょうが、それが茨の道になろうとも、現執行部は助ける道はありません。
これまで、LPSAにご支援とご協力くださいました、皆様に心からの感謝と御礼をお伝えして、挨拶にかえさえていただきます。
(文責・代表理事 石橋幸緒)