「河合薫の新・リーダー術 上司と部下の力学」

お荷物“エルダー”社員を生み出す、“バカ”になれない40代

ジャンプ葛西選手の“進化”がミドルの心を揺さぶるワケ

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2014年2月25日(火)

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 「うちの会社では役職定年になったら、支店に異動になる。なので55になったら、自動的に地方に転勤です。賃金は、今の7割くらいになってしまいますけど、とりあえず60まではそのままいられる。“エルダーさん”っていうんですよ。表向きは、『年上の社員に、敬意をこめた呼び名』ってことになってるんですけど、なんか……ですよね」

 エルダーさん――。

 大手金融関連企業に勤めるこの男性の会社では、役職定年になった社員を、こう呼ぶのだという。
「昨日まで部長だったんだから、今さら〇〇さんとは呼べないしなぁ」
「シニアスタッフって呼ぶ会社は多いみたいだけど……」
「シニアより、エルダーのほうがいいんじゃね?」
「んじゃ、敬意も込めてエルダーさん?」

 そんな会話があったかどうかは知らないけれども、要は、「あなたは、現役ではありません」と言いたいだけ。しょっぱなから、つっかかり気味で申し訳ない。

 “エルダーさん”なんて、線引きされた途端、 「若いみなさん。お世話になって、どうもすみませんね〜。でもね、私だって今までがんばってきたんですよ。ガッハッハ」 なんて気分にさせられるネーミングだ。

 「ホント、切ない呼ばれ方ですよ。私も数年後にはエルダーさんです。でも、ホントにそれでいいのか? って思うようになりまして。オリンピックで、41歳になってもあきらめずに飛び続けている葛西選手に、感動しちゃったんです。だって、金メダル目指して、4年後も頑張るっていうじゃないですか。すっごい精神力ですよ。あんな風に、進化していけたらいいなぁって。アハハ。なんかいい年こいて、私も単純ですね」

 いろんなドラマと感動があったオリンピック。 十数年前には、原田選手のジャンプに、多くのビジネスマンのお父さんが感動したが、今回は、この男性のように葛西選手と自分の人生とクロスさせ、ちょっとばかり刺激された方も多かったに違いない。

 「葛西選手、かっけ〜。自分もあんな風に、進化したい」と。

 そこで今回は、その“オリンピック熱”が冷めないうちに、「進化する力」について、あれこれ考えてみようと思う。


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