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UEI shi3zの日記 RSSフィード

2014-02-25

話題のIT(後述)ガジェット、Telepathy One(テレパシーワン)は本当に出るのか?

 日曜日の昼下がり

 いつものようにゲンロンカフェで「ノンプログラマー・プログラミング講座」の準備をしてると、Facebookでもじゃもじゃしたアイコンからメッセージが来た。


 「清水さん!火曜日にトークイベントでてくれないですか?」


 うわさのもじゃもじゃ起業家、井口尊仁からだった。

 もじゃもじゃ界では茂木健一郎、葉加瀬太郎に並ぶ三大もじゃもじゃ野郎と言われている(SRI:清水総研しらべ)


 まあ井口と僕の関係性については過去になんどかこのブログに書いたのだけど、最初は「なんだこのインチキな奴は」と思い、逢瀬を重ねるうちに「すごいインチキだな」「いや、空前のインチキだ」「グレートインチキ!」と、逆に「インチキ」という言葉の意味が変化するほどのIT(インチキ)起業家なのだ。


 なぜインチキだと思ったかというと、まず彼がさっそうとデビューさせた「セカイカメラ」はプロモーションビデオ自体が実現不可能なテクノロジーに基づいていた、ということに起因する。しかし井口はそのインチキをやると言い続け、ついにiPhone側が対応してインチキではなくなるという快挙を成し遂げた。これぞ現実歪曲空間(リアリティ・ディストーション・フィールド)。本物のインチキの前には現実の方が後からついてくるのである。


 まあITなんてのは、全く無価値の真空から情報の順列組み合わせだけで新たな価値を創造する、いわばインチキの塊のようなテクノロジーなので情報技術(IT)だろうがインチキ(IT)だろうがあまり大差はない。


 そんな井口が、自ら創業した頓智・を飛び出し、iPhoneにかわる次なるIT(インチキ)アイテムとして選んだのがヘッドマウントディスプレイだった。

http://image.excite.co.jp/feed/news/Dime/Dime_127145_7.jpg

 ディス・イズ・IT(インチキ)

 完全にコンセプト先行。装着したまま転んだら失明する確率が爆増すること間違いナシのスーパーデバイス。僕も装着したことがあるが・・・

https://fbcdn-sphotos-e-a.akamaihd.net/hphotos-ak-ash2/t1/164971_10152351017340752_519128467_n.jpg

 これ、なんか見えてるフリしてるけど、ただのモックアップなんで何も見えてないからね。

 これ付けると、なんも見えないからなんか見えてるフリがしたくなるという、催眠術ガジェットみたいな感じ。

 そりゃGoogle Glassに比べれば自然な表情になるよ。見えてないんだから。

https://fbcdn-sphotos-g-a.akamaihd.net/hphotos-ak-prn1/t1/923140_10152351013800752_596121353_n.jpg


 見えてないが故に、「見えてたらどんな感じかな?」という遊びをしたくなる。

 想像力(だけ)を刺激するモックアップだったわけだ。


 しかもこれ、「孫悟空の輪か!」と思うほどに締め付けがきつい。ギリギリする。こんなものを売ろうとしているのか井口。というかこれを長時間頭に装着していて君は平気なのか。そのうち頭蓋骨の形がかわってしまいそうなくらいの締め付けで、これは製品版で改善すると言っていたけど改善されなければ一生使うことが出来ない代物になることだけは間違いないだろうと思う。


 ただ、地球上では見えてるバージョンを観測したという報告も寄せられていて、どうも見えるやつもあるらしい、ということがうっすらおぼろげながら解って来ている。つまりまたもインチキが現実を歪曲させ、実現してしまいそうになっているらしいのだ。僕はまだ見てないが。


 さらに先日、ふとアメリカで購入したWired(アメリカで最も読まれているテック系雑誌)に、「Google Glassのライバル達」という特集が組まれていて、その筆頭があろうことか実態の全く見えないTelepathy Oneなのだ。さすが井口。超一流のインチキはアメリカのトップメディアまでをも幻惑させることができるのである。


 しかもなんと2014年、つまり今年出荷するつもりらしい。

 正気か井口。影も形もないのに。


 そして井口の本当に凄いところは、たぶん世界で最も井口とその発明品をインチキ扱いしている僕を、わざわざ招いてトークイベントを仕掛けようと言う神経の図太さだ。しかも直前の日曜日に。おまえ、どうせ誰かにゲスト出演断られただけだろ。バレてんだよ。


 しかしマリアナ海溝よりも深い慈愛と、太陽系よりも広い心を持つ僕は、スケジューラをチェックし、火曜日の夕方が奇跡的にアポが入ってないことを発見してしまった。多忙を自慢する趣味はないが、ここ最近の怒濤のようなスケジュールからしたら、直前の日曜日に翌々日の予定をあけろと言われて、その日が空いている確率は、直径10メートルの小惑星が北海道長万部市を直撃するような天文学的確率(SPL:清水推進研究所しらべ)であり、井口のインチキ歪曲空間の恐ろしさをかいま見せる。


 「運が良かったな、井口。おれの予定は空いているぞ」


 「さすが亮さん、じゃあスクーの担当の人から連絡してもらいます!恩に着ます!」


 相変わらず腰だけは低い井口。世界でこいつだけが僕を「亮さん」と呼ぶ。

 「さすが亮さん」じゃねえよ。なんだよ予定があいてて「さすが」って。バカにしてるのか。


 しかし井口の現実歪曲空間はここで終わらない。

 いざ告知を見ると・・・ 

ウェアラブル市場の現状と、これから 井口 尊仁 先生 - 無料動画学習|schoo(スクー)

http://schoo.jp/class/489

 おい、火曜じゃなくて水曜じゃないかよ!適当すぎるだろ井口。直前になって。


 水曜の予定・・・くっそ、この時間だけなぜかポッカリあいている。

 これがインチキ現実歪曲空間か。これがおまえのIT(インチキ)革命か!井口よ。


 学研「ムー」によると、井口は宇宙的インチキパワーによるインチキ神を自由に召喚し、宇宙精霊の助けを借りて大宇宙の全ての歴史を司るというアカシックレコードを直接書き換えることができるらしい。また、井口の頭骸骨は水晶でできているという噂もある。ミスターあすか、教授は先生がスクーへ行くことを希望されております。


 僕もインチキ(IT)起業家と呼ばれて久しいけれども、井口のヒキの強さはもはやホンモノのインチキとしか言いようがない。


 というわけで、告知しろと特に言われていないけれども、まあ井口のインチキ歪曲空間に巻き込まれたい人はぜひどうぞ